新型ヴェゼルの広さや使い勝手を比較してみた!

 ホンダのコンパクトSUVとなる新型「ヴェゼル」は2021年2月18日にワールドプレミアされました。
 
 このフルモデルチェンジで外装や内装の質感が大幅に向上しましたが、事実上のライバルとなるトヨタ「ヤリスクロス」や日産「キックス」とは、使い勝手においてどのような違いがあるのでしょうか。

後席&荷室の使い勝手が良いのはどれ?(上:ヤリスクロス。中:新型ヴェゼル、下:キックス)

 それぞれ世界的にはBセグメントに分類されるコンパクトなSUVですが、今回は、それぞれの後席居住性や荷室容量、使い勝手を中心に比較していきます。

【画像】決めてはナニ? 新型ヴェゼル・ヤリクロ・キックスを比較する!(81枚)

 新型ヴェゼルは、初代モデルよりも全体のフォルムを直線基調のスタイルに変更し、直線のルーフラインがリアタイヤ上部まで続いていることで、後席の頭上空間にゆとりができ、窮屈感を感じにくい空間となっています。

 居住性は、先代ヴェゼルと比べてシート背もたれの角度を適切にすることで、頭上空間が広く感じられるほか、膝周りのスペースも拡大したといいます。

 実際に身長170センチの男性が後席に着座しても頭上や膝周りに余裕があり、背もたれの角度も違和感ありません。

 一方のヤリスクロスは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」と同じGA-Bプラットフォームを採用したヤリスシリーズの一員です。

 ヤリスシリーズは、前席の居住性を優先するような設計が基本となっていることもあり、後席の居住性は新型ヴェゼルほどの余裕はないものの、身長170センチの男性が着座しても窮屈感はそこまでありません。

 キックスは、日産が国内市場に10年ぶりのブランニューモデルとして投入したコンパクトSUVです。

 パワートレインは、新型ヴェゼルやヤリスクロスがガソリン車/ハイブリッド車を設定しているのに対して、キックスは日産のハイブリッド車の「e-POWER」のみというのが特徴といえます。

 キックスの前席ならび後席の居住性は、コンパクトSUVとしては余裕のある空間を確保。身長170センチの男性が後席に着座して快適に過ごすことが可能です。

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 なお、後席のユーティリティ面では、グレードにより異なるものの新型ヴェゼルではエアコン送風、USB電源(2個)、センターアームレスト(ドリンクホルダー2個)を装備。

 ヤリスクロスでは、センターアームレスト(ドリンクホルダー2個)、キックスではUSB電源(2個)などが装備されています。

荷室の使い勝手はどう異なる?

 日常的に使うボディサイズといえるコンパクトSUVですが、使い勝手ではどのような違いがあるのでしょうか。
 
 新型ヴェゼルでは、初代ヴェゼルの特徴である多彩なシートアレンジの代表的な機能として、後席の座面を跳ね上げることで高さのある荷物が積載出来る「トール・モード(チップアップシート)」を採用。

 また、後席は「6:4分割可倒式」を採用しているほか、後席を倒すとフラットになるため、長尺の積載や車中泊などが可能となります。

 さらに、新型ヴェゼルの特徴のひとつとしてリアバンパーの下に足を入れるとリアゲートが開く「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付き)」を採用しました。

 ヤリスクロスでは、後席の背もたれを4:2:4の割合で倒すことが可能となり、センターを倒して長い荷物を積載した状態であっても4名乗車できるのがポイントで、後席と荷室がフラットになるため、大きな荷物を難なく載せることができます。

 さらに、「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」のグレードには、それぞれ高さを2段階に調節できる6:4分割アジャスタブルデッキボードが装備されており、用途や目的に応じてラゲッジルームの深さをアレンジすることが可能で、新型ヴェゼル同様に「ハンズフリーパワーバックドア」を採用しました。

ホンダ「フィット」同様にチップアップする新型ヴェゼルの後席

 そして、キックスでは後席に6:4の分割可倒式を採用。しかし、新型ヴェゼルやヤリスクロスでは後席を倒すとフロアがフラットになるのに対して、キックスでは段差が生じますが、新型ヴェゼルやヤリスクロスよりも荷室の座面が低いため、5名乗車の状態で高さのある荷物を載せるには最適です。

 また、キックスには頑丈なトノカバーが標準装備されており、仕切りが付けられていることから、この部分も積載スペースとして活用出来るのも使い勝手としてはいいかもしれません。

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 ヤリスクロスとキックスはすでに販売店に展示車や試乗車が配備されていますが、新型ヴェゼルは2021年4月発売となり、まだ実車を見るには時間が掛かります。

 そのような状況について、ホンダ販売店のスタッフは以下のように話します。

「新型ヴェゼルは、『電動テールゲート』などの装備が充実しており、従来モデルよりも価格が上がってしまうと思います。

 しかし、ヤリスクロスやキックスなど、同クラスのライバルよりも優れている点が多くあるのは間違いないと思います。

 実車が販売店に届くのが、早くても4月下旬になると思いますが、すでに問い合わせがかなり多いので、納期がかなり長くなる見込みがあります。気になっているお客さまには早めにお問合せ頂ければ幸いです」