コロナ禍で深刻な影響を受ける飲食業界。コロナを旗印に強行される組織改革で、サラリーマンの社内サバイバルは激化している。管理職として働いていたある男性は、エリートコースから一転、バイトの穴埋め要員になってしまったという。詳しい実態を取材した。

◆管理職からバイトの穴埋め要員に……

 大手外食チェーンで20店舗を束ねるエリアマネージャーとして働いていた若尾裕也さん(仮名・43歳)は、売り上げ減の煽りを受けてコストカットの対象とされた管理職のひとりだ。

「ウチの会社だとエリアマネージャーは本社の課長に相当。いわばエリートコース的な役職で、年収は800万円。この肩書を誇らしく思っていました」

 第3波で感染者数が再び増加していた昨年11月。本社に呼び出された若尾さんに「店舗管理エキスパートチーフ」という聞き慣れない役職への辞令が下ったという。

「一応、管理職だという話でしたが、仕事内容はただの店舗スタッフ。雇い止めしたバイトの穴埋め要員に当てがわれたことはすぐにわかりました」

◆月収は8万円も減る

 それから2か月が過ぎたが、今も「店舗管理エキスパートチーフ」という名ばかりのヒラ店員のまま。エリアマネージャーだった頃に比べると月収は8万円も下がった。

「経営側からすると、現場の店長よりコストがかかる僕ら管理職の給料を減らしたかったんでしょうね。飲食店の場合、極論を言えばエリアマネージャーがいなくたってお店は開けられますから。

 今は同業の求人なんてないし、年齢も加味すればコロナ禍での他業種への転職活動なんて無謀でしかない。子供はまだ小学生ですし、歯を食いしばって会社にしがみつくしかない」

 給与ベースの高さゆえ、まず管理職が人員整理の標的となるケースは多い。コロナ禍が落ち着けばマネージャー復帰もあると希望を持っていたが、会社は早期退職者募集も開始。

 日々肩たたきに怯えながら、若尾さんは今日もサラリーマンが激減した街で店への呼び込みを続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部> ―[生き残る会社員]―