家で過ごす時間が増えて、新しい趣味を見つける人が増えているみたいですね。「動画制作はじめたよ!」「YouTubeチャンネル作ってみた!」という声も、身近な所でよく耳にするようになりました。無料の編集ソフトもかなり多彩な機能があるし、色々ダウンロードして試すだけでも楽しいですよね。
ただ、しばらくすると……
「なかなか編集がうまくならない」「全然視聴回数が伸びない」といった悩みにぶち当たるケースが多いようです。そうなってしまうと作る楽しさは半減、更新頻度も落ちて、やる気が瀕死状態に……なんてことも。
そんな苦しみ、もどかしさを抱えてしまった人にはぜひAdobeの
Premiere Proの導入を検討して欲しい!
ここではあのゲームさんぽの編集部が(!)全力でPremiere Proをオススメする<4つの理由>をご紹介します。難しそうなイメージもある本格派ソフトですが、実は、動画ビギナーにこそ向いていると言えるような部分もかなり多いんです。
は? ゲームさんぽってなんだよ
勢い余って「あのゲームさんぽの編集部が(!)」などと書いてしまいましたが、ご存知ない方も多いと思うので、まずは簡単に自己紹介をさせてください。調子乗ってすみません。
ゲームさんぽとは、ちょっと変わったゲーム実況動画シリーズの名称です。いろんな分野の専門家をゲストに迎えてゲームの世界を観察するスタイルが特徴。石原良純さん(気象予報士)と『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で遊ぶ動画などで話題になりました。
現在もライブドアニュースの
YouTubeチャンネルで連載中。毎月100万回以上の視聴回数で、そこそこ人気なのでよかったら覗いてみてください。
限りなくビギナーに近いプロ
ゲームさんぽの動画は全てPremiere Proで編集していますが、筆者(ゲームさんぽ担当者)はもともと記事の編集者。動画制作経験ゼロ、ピカピカのド素人でした。
そこからシリーズ開始と同時にPremiere Proの勉強を開始。2週間くらいで“一応”使えるようになった感じなので、言ってみれば「限りなく素人に近いプロの動画制作者」です。
だから、動画ビギナーの気持ちは良くわかります。そこでソフト選びで迷っている方のために、ここからは実際にビギナー目線で筆者が感じた
Premiere Proのリアルな良いところをご紹介していきたいと思います。
ビギナーにこそPremiere Proを推したい4つの理由
それでは順番に見ていきましょう。
<理由1> 操作画面がカッコいい
はい、見てくださいこのUI。最高です。ダークな画面に浮かび上がるネオンカラー。いかにもプロ仕様の硬派なデザイン。起動するだけで気分が良くなり、触っているだけでテンションあがります。
特にタイムライン上のクリップ(動画素材)の色味がいいですよね。この色使いは自由にカスタマイズ可能で、配置を複雑にしていくと、
この画面自体がもはやアート作品のようになっていきます。 まるでピエト・モンドリアンの抽象画でも見ているような気持ちです。
オランダの近代画家 ピエト・モンドリアンの絵画
実際のところ、普通の作業中には上記スクショのような複雑な配色にはなりません。抽象画みたいだ、というのは冗談です。ですが、「操作画面のカッコよさ」ってなかなか重要な要素なのでは?というのは真剣にそう思っています。なぜなら……
操作に慣れるまで、編集作業ってすんごいストレス溜まるから。
なんだかんだ言ってもPremiere Proはプロユースのソフト。高機能である分、一朝一夕には使いこなせるようにはなれません。
先ほど2週間で“一応”使えるようになったと書きました。しかしそれはほんとうに“一応”レベルのことです。半年くらいはずーっと操作方法をネットで調べながら作業していて、1年以上使った今でもまだまだ知らない機能がたくさんあります。
というかそもそも、「動画制作」をするには最初に覚えなくてはいけない用語や機能がとにかく多いんです。だからどんなソフトでも簡単ではありません。挫折する人が多いのも当然です。そこで動画編集に慣れるまでの制作モチベーションをどう維持するかが問題になるのですが、解決方法のひとつとして、操作していること自体に充実感を得られること、見た目を気に入って、楽しく
「やってる感」を味わえることがめちゃくちゃ大事なのではないでしょうか。
お気に入りのモノでやる気が出る、というのはきっと多くの人が経験していることかと思います。例えば新しいスポーツウェアや楽器を買った時、あるいは高価な画材やキッチン用品を買い揃えた時をイメージしてください。お気に入りのモノが手元にあれば、自然と使い倒したくなりますよね。
それと同様、動画制作の特に初期段階においてはテンションの上がるカッコいい画面が練習のモチベーションになります。そうしてツラさを紛らわせながらソフトをキャッキャウフフと触っていれば、段々スキルは上がってくるでしょう。
Premiere Proの洗練されたUIデザインのカッコよさ。そしてそれが与えてくれる安易な「やってる感」。
動画ビギナーにとってはこれが侮りがたい、大きな価値を持っているように思います。少なくとも、筆者にとってはそうでした。作業画面のイケてる雰囲気、最初期の壁を乗り越えるためには超大事だったと思います。
<理由2>ユーザーが多い=ネット上にノウハウが多い
2点目は少し実務的な理由ですね。
筆者はYouTubeのHow To動画やPremiere Proに詳しい人のブログなどを大量に読んで、独学で操作方法を覚えました(※)。本も買ってないので、勉強代はゼロ円。それでも全く不都合がないほど
Premiere Proに関する情報はネット上にたくさんあります。これはユーザー数が多い、業界スタンダード的なソフトを使うことはメリットのひとつでしょう。
(※)最初は社内の動画編集マンA氏に「教えて」と頼んでみたんです。そしたら「こっちも忙しいし、YouTubeの動画見れば大丈夫だから勝手にやれ」との塩対応を受け、やむなく独学に……。筆者はA氏を恨みました。教えてくれればいいのにと。A氏を憎みました。勝手にやれってなんだよ!と。でも、実際に動画をたくさん見ていくと、たしかにそれだけで基本操作は完全に理解できたんですよね。いやー、先輩の言うことは素直に聞くものですね。感謝と反省をA氏に捧げます。
ソフト内の各パネルについての基礎知識や便利なショートカットッキーの設定、
テロップを見やすくする技術から各種エフェクトの活用方法まで、YouTubeで検索すれば大体のことは分かります。How Toを作っている人たちには動画のプロも少なくないので、基本的に見やすいしわかりやすい動画が多いですね。
あと、作業中に何かエラーやトラブルがあった時も、ネットで検索すれば大体解決策は見つかります。大体というか、
今まで解決方法が見つからなかったことはないです。意味不明なトラブルから抜け出せない状況ほど、イライラして嫌気が差してくることはないので、これは実際非常にありがたい。集合知、最高! 業界スタンダード、万歳!
<理由3> 作業効率がめちゃくちゃ高い
覚えるのは大変なのですが、一旦慣れてしまえばPremiere Proでの作業は極めて快適です。ショートカットキーやレイアウト変更の自由度が高く、自分の編集スタイルに合わせて多様なカスタマイズが可能。使えば使うほどどんどん魅力的になっていくので、動画業界のスルメソフトと言ってもいいでしょう(語彙力)。
そして使っていくうちに段々わかってきたのは、「こういう機能あったらいいのにな〜」と思った機能がもう全て実装されているということ。例えば下記の3つなんかは、存在を知った時便利すぎて感動しました。
(1)リップル削除
不要な部分をカットし、隙間を自動で詰めてくれる機能。文章校正で言うところの「トルツメ」。使うと使わないとじゃ作業効率が10倍くらい違う。
(2)トラックの前方/後方選択ツール
タイムライン上のクリップのうち、クリックしたポイントから左右どちらかの全クリップを一括選択できるツール。クリップの配置を乱すことなくまとめて移動できるので、内容の順序入れ替えがとても簡単にできる。これがなかったら一括選択するには、Shift+個々をクリックorドラッグで範囲選択(範囲が広いと難しい)しかなく、もはや不便すぎて死ぬ。
(3)クロマノイズ除去etc
音声のノイズをいい感じに除去してくれる神エフェクト。人の声が聞き取りやすくなる。これが必要ない綺麗な録音をするのがベストだけど(ノイズを抑えられるが多少声も歪んでしまうので)、いざって時にほんと助かる。
また、操作性はIllustratorやPhotoshopといった他のAdobeソフトと共通の部分も多くあるので、すでにこれらを使った経験のある人や、今後使うかもしれないという人にとっては多少スキルの習得コストを節約することにもなりそうです。
<理由4> エフェクトで表現の幅が俄然広がる
最後はエフェクトの豊富さです。オープニングや
トランジション(画面遷移)にこだわってスタイリッシュな動画を作りたい時に便利なエフェクトがPremiere Proには多数搭載されています。もちろんAfter Effects など別のソフトを併用すれば表現の幅は格段に広がりますが、Premiere Proの基本プリセットだけでもかなりの範囲がカバーされています。
さらに、先ほど触れた<理由2>とも重なりますが、ネット上では多種多様なプリセットを入手することも可能です。それらを活用すれば初心者でもプロっぽい、おしゃれでひとクセある演出が簡単にできてしまうんですよね。
例えばゲームさんぽの中でも、
このサイトで無料配布しているグリッチ(電気信号の乱れっぽい)エフェクトをアレンジして場面移動の演出に使ったことがありました。
▲「SEKIRO×仏像研究者」より
テキストに対してグリッチとディゾルブのエフェクトを併用。色収差などの細部はプリセットから若干アレンジしている。
Premiere Proはこういう便利な情報を探していくのも、地味に楽しかったりしますね。
というわけで以上、筆者が動画ビギナーとして感じたPremiere Proの魅力をご紹介してきました。安い買い物ではないけど、やっぱり本格的に動画編集をやるなら導入して損はないソフトですよね。ガッツリ使い倒して、良い動画を作っていきましょう!
――Adobe Premiere Proの無料体験はコチラ文:ゲームさんぽ編集部 いいだ