イタリアの絶対王者は、10連覇の偉業を成し遂げられるのか。

 ユベントスはアントニオ・コンテの下で3連覇、マッシミリアーノ・アッレーグリ体制で5連覇を遂げ、マウリツィオ・サッリ前監督が率いた昨季もスクデット(優勝)を果たしてきた。

 だが、新米監督アンドレア・ピルロが就任した今季は、23試合を消化して首位インテルに10ポイント差の3位。消化が1試合少ないものの、絶対的な強さを見せてきた国内リーグでのタイトル維持に黄信号が灯っている。

 ナポリとのイタリア・スーパーカップを制し、コッパ・イタリアでも決勝に駒を進めた。だが、チャンピオンズ・リーグ(CL)では、ポルトとのラウンド・オブ・16第1レグで1-2と敗れている。

 この事態に、英紙『Daily Mail』は3月1日、ユベントスのシーズンが「悪夢」だと批判した。19ゴールで得点ランク首位に立つクリスチアーノ・ロナウドにも、「自分勝手」と厳しい見解を示している。

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 同紙は「ユベントスはもう、以前のようなビーストではない」と、イタリア王者をこき下ろした。

「彼らはセリエAの全クラブが恐れたチームだった。だが、今はもう違う。むしろ、ユベントスはそのサメの歯をうさぎの歯に入れ替えたみたいだ」

 さらに、現在体調不良で苦しむアルバロ・モラタや、中盤で今ひとつ輝けないアドリアン・ラビオ、アーロン・ラムジーの代わりとなる選手を補強していなかった強化部を「ごう慢」と批判。ファビオ・パラーティチSDの立場も危ういと伝えている。

 同紙は、ラビオとラムジー、ロドリゴ・ベンタンクールの中盤が、インテルの中盤(ニコロ・バレッラ、マルセロ・ブロゾビッチ、クリスティアン・エリクセン)と比べものにならないとばっさり。特にラビオとラムジーについては、「改善の兆しがまったく見えない」と酷評した。

「両選手とも高額サラリーで2023年までの契約を結んでおり、高くついた過ちと証明した」

 パウロ・ディバラを筆頭に、負傷者が相次いだ「不運」もあるとしたうえで、同紙はC・ロナウドにも苦言を呈した。「今季のユーベの救世主だったことは疑いない」としつつ、「だが、時に自分勝手すぎる。特にセットプレーだ」と続けている

「ユーベに来てから、ロナウドはマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリー時代のようなFKマスターの精度を見せていない。それでも、ユーベのFKの大半を蹴り続け、彼らは多くの貴重な得点機会を失っている」

「いかに36歳の彼が偉大であっても、ひとりでゴールの負担を背負うことはできない。いずれユーベはそれを解決しなければならない。そうでなければ、長年にわたってCLで傷つくことになる」

 ユーベは3月2日にスペツィア、6日にラツィオと対戦し、9日にポルトとの第2レグに臨む。ピルロは国内外で軌道修正することができるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部