国連安保理の常任理事国は第2次世界大戦の戦勝国であり、発足から現在まで常任理事国はずっと5カ国のままだ。安保理改革に向け、新たな国を加えようという意見はこれまで何度も出ているが、実現には至っていない。

 中国メディアの百家号は24日、「海外には日本の常任理事国入りを押す声がある」と伝える記事を掲載した。記事は、中国人の視点で、「日本が常任理事国にふさわしくない」と主張する根拠を列挙しているが、記事からは中国人の感覚が国際的な感覚からいかにずれているかが感じ取れる。

 記事はまず、海外には「日本が常任理事国にふさわしいと考える人がいる」と、信じられないといった様子で伝えた。記事の中国人筆者は最近ネット上で関連する書き込みを見つけ、ある外国人の「日本は人権と自由を愛する国で、中国よりも平和を尊重している」との主張に接したそうだ。この書き込みにはほかにも、日本、インド、ブラジル、ドイツの4カ国の常任理事国加入を支持する立場の人が複数いたと伝えている。中国では表立ってはできない発言に驚いたのか、中国人筆者は「一笑に付したが、ふと恐ろしくもなった」そうだ。

 記事の筆者は中国人の典型的な考え方のようで、「日本が安保理にふさわしくない理由」を列挙している。そもそも、常任理事国拡大には国連憲章の改正が必要だとしたうえで、日本は「歴史」、「軍事力」、「品格」に問題があり、「自由と平和を愛する国ではない」と力説した。とはいえ、軍事力を強化している日本は平和を愛する国ではないと論じながら、核保有国ではないので常任理事国にはなれないと主張するなど、その主張は矛盾に満ちており、ただ「日本には資格がない」と言いたいだけのようだ。

 記事の筆者の日本に対する印象は、中国人の一般的な考え方と言えるが、この筆者がネット上で接した考え方というのも海外のごく普通の考え方だと言えるだろう。日本が安保理にふさわしくない国かどうか、一度日本に来て確かめてみて欲しいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)