米ワシントン州グラハム在住の2児の母アイラ・ラザフォードさん(Ayla Rutherford、29)は先月、次男アクセル君(Axel、4)を誤飲事故により亡くした。アクセル君が飲み込んでしまったのは、絵画や写真などを壁に貼り付ける画鋲で、肺に穴が開き呼吸ができなくなったという。『Metro』『Mirror』などが伝えた。

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誤飲事故が起きたのは先月9日のことで、アイラ・ラザフォードさんはその日、6歳の長男の誕生日ケーキを焼き終えシャワーを浴びようとしていた。すると夫のジョッシュさん(Josh、29)と義父母がなにやら大声で叫び始め、パニックに陥っていることに気付いた。

アイラさんは「3人の慌てた声を聞いて急いで行ってみると、アクセルは喉に何かを詰まらせたのか苦しそうにしていました。ジョッシュがアクセルに“ハイムリック法(腹部突き上げ法)”の処置をしていましたが、アクセルは自分に何が起こったのか全く理解しておらず、ついには意識を失ってしまいました」と当時を振り返る。

実はジョッシュさんはアクセル君が誤飲したもので窒息しかけていると思い、みぞおち下にこぶしをあてて内上方に圧迫するように突き上げて除去しようとしたのだった。しかしアクセル君の顔はあっという間に真っ青に変わって呼吸が止まり、駆けつけた救急隊が自動体外式除細動器(AED)を使用したものの反応はなかった。

こうしてメリーブリッジ小児病院に緊急搬送されたアクセル君は検査の結果、画鋲を誤飲していたことが判明した。ただ画鋲はアクセル君の左肺に穴を開け、肋骨の間に留まっている状態で、医師らは約2時間をかけて画鋲の摘出手術を行った。

アイラさんは病院でのアクセル君の様子について、こう明かしている。

「アクセルは20分以上も脳に酸素が供給されない状態が続き、心停止を5度も起こしていました。そして医師から『今の状態では脳死の可能性が高い』と告知を受けたのです。私たちはただ祈るしかありませんでしたが、体調が回復することがないまま入院から3日目に脳死判定のテストが行われたのです。」

「最初のテストで生命維持装置を外されるとアクセルは呼吸をしようとし、目を少しだけ動かしました。このため医師は脳死と判定はできず、その後12時間おきに2度実施されたテストを経て、17日に死亡が確認されたのです。」

アイラさんは最愛の息子をこのような形で亡くしたことで、次のように呼びかけた。

「アクセルは2月2日に火葬されました。小さなものを口に入れたのはこれが初めてでしたが、画鋲が命取りになったのです。全ての両親、祖父母、友人などにこの事故を知ってもらい、子供の手の届くところに画鋲を置かないよう注意喚起したいと思います。」

画像は『GoFundMe 2021年1月20日付「Axel’s funeral cost. And the danger of tacks.」』『Metro 2021年2月25日付「Boy, 4, died after inhaling drawing pin that pierced his lung」(Picture: Kennedy News and Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)