心理カウンセラーの石原加受子先生が「あるある」な心の悩みに寄り添って、マンガと解説で解決します。

【今回のお悩み】
小5の娘はそろばんを習っています。進級をめざして頑張っていましたが、試験に落ちてしまいました。二度目の不合格ですごく落ち込んでいます。

「頑張ったS子は偉いよ。練習すれば次はきっと受かる」と励ましても効果がなく、「もうやめたい」と言い出しました。途中でやめさせたら根気が育たない気がする一方、無理強いするのもどうか、と迷います。親としては立ち直って再チャレンジしてほしいのですが……。



 
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習い事をお休みする期間をつくろう

子どもに習い事をやめたいと言われると、親は「中途半端にやめさせたら根気のない子になる?」という思いと、「無理に行かせたらかわいそう?」という思いのはざまで悩みますね。

 まず、習い事をやめるかどうかを決める前に、「頑張ったのに失敗して落ち込む子どもの気持ち」に寄り添い、やさしい言葉をかけてあげましょう。失敗から立ち直るため大事なステップです。

 そして、習い事をしばらくお休みする期間をつくりましょう。やめたいと言い張っても、子ども心にいろんな思いを抱えているかもしれません。習い事をいったん休むことで、自然と考えが整理されることもあります。時間をおいてもう一度話し合えば、本当にやめたいのか、不合格のショックで口走っただけなのか、親も見極めやすくなるでしょう。

 本当にやりたいことなら、子どもが自ら習い事を再開するはず。もし時間をおいても「やめたい」と繰り返すなら、やめさせてもいいと私は思います。

 理由の一つとして、「失敗してもあきらめず、挑戦しつづければいつか達成できる」という根気は、本当にやりたいことで学ぶのが近道だから。やりたくない習い事を無理に続けても、前向きに取り組めなければ、根気は育ちにくいように思います。次も不合格となればさらに自信をなくし、チャレンジすること自体を避けるようになるかもしれません。

「一つがダメでも別の何かがある」と学ぶ機会ととらえよう

 子どもはこれからの人生でいろんな失敗をするでしょう。でも、やりたいという意欲さえ育っていれば大丈夫。今回は「一つのことに固執せず、何かがダメでも別の何かがある」ことを学ぶ機会ととらえてはいかがでしょう。

 親が自分の意思を受け入れてくれたら、子どもは「失敗してもいいんだ」と前を向くことができます。また別のやりたいことに取り組むことで、好奇心とチャレンジ精神を持ちつづけられます。成長につながる選択肢は、決して一つではありませんよ。

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\すぐできる! お気楽メソッド/
過去の「習いたい」発言にこだわらない

子ども自身が「習いたい」と言ったとしても、本当にやりたいこととはかぎらないもの。仲よしの友達が楽しそうに習う様子を見たりすると、自分もやってみたくなるのはよくあることです。だから、「自分で習いたいって言ったでしょ」と詰め寄らないであげて。


<監修>石原加受子先生
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。「自分を愛し、自分を解放し、もっと楽に生きる」ことをめざす自分中心心理学を提唱。『「また断れなかった…」がなくなる本』(河出書房新社)など著書多数。

<マンガ>今井久恵

マンガでわかる お気楽のヒントシリーズ(3)『振り回されっぱなしで疲れちゃう 子どもへのモヤモヤがパッと晴れる考え方のコツ』より