育児に関して夫に怒りを覚えた出来事を描いた漫画「育児中のイルァッ…」がSNS上で話題となっています。夜泣きをする娘の世話にかかりきりで、アニメやゲームなど自分の時間が持てなかった女性。夫に「週1回は自由な時間が欲しい」と相談したところ、夫の反応は…という内容で「これはダメなやつ」「めちゃくちゃ分かります」「全国の父親に読ませたい」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

グッとのみ込んだ黒い気持ちが…

 この漫画を描いたのは、イラストレーターのぬぬ(ペンネーム)さんです。インスタグラムでは、育児を中心とした日常漫画を発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

ぬぬさん「2020年の外出自粛期間、自宅に家族でいる時間が増えたことで、『家族の思い出を何かの形で残したいな』と思って始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

ぬぬさん「『寝かしつけを代わってほしい』、そのひと言でいいと分かってはいるものの、グッとのみ込んだ黒い気持ちがずっと残っていたので『漫画のネタにしてしまえ〜!』と思い発表しました」

Q.旦那さまは育児にはノータッチだったのですか。

ぬぬさん「ノータッチというわけではありませんでしたが、私自身が『育児は母親の仕事』と思い込んでいたので、全部自分一人で抱え込もうとしていました。今思えば、もっと夫にお願いすればよかったです」

Q.旦那さまに直接、思いをぶつけたことはあったのでしょうか。

ぬぬさん「何度もぶつけましたし、『なんで分かんないの?』とめちゃくちゃ態度に出していたと思います。徐々に夫婦関係が冷え込んでいくのが分かりました。話し合いを重ねて関係は修復したものの、思いをぶつけることは本当に難しいなと痛感しました」

Q.その後、旦那さまに変化は見られましたか。

ぬぬさん「紆余(うよ)曲折ありましたが、徐々に家事をしたり、育児に参加するようになりました」

Q.現在は、自分の時間をつくれるようになったのでしょうか。

ぬぬさん「以前に比べると、だいぶ自分の時間がつくれるようになったと思います」

Q.寝かしつけやワンオペ育児、非協力的な夫に悩むママさんにひと言をお願いします。

ぬぬさん「毎日、本当にお疲れさまです。私もまだまだ試行錯誤中ですが、たまには山積みされたタスクを間引き、少しでも気持ちに余裕が持てるように自分自身のご機嫌を取りながら、これからも続く家事育児を一緒に乗り越えていけたらと思います」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

ぬぬさん「『分かる!』と共感していただけるコメントがとても多く、思い入れの強い内容だったので本当にうれしかったです。そのおかげで、ずっと残っていた当時の黒い気持ちがスーッと浄化されていきました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

ぬぬさん「自分のエピソードをもとに、紆余曲折あった夫婦関係や出産前後の連載漫画を描こうと思っています。私も、一番つらかった出産直後はいろいろな方の育児漫画にとても救われたので、自分の過去や日常漫画が誰かの笑いや気分転換、何かのきっかけになればうれしいです」