清武は昨季より1300万円アップ、J1通算200ゴールを目指す大久保は600万円評価

 2021シーズンのJ1リーグがいよいよ26日に開幕する。

 今オフの移籍市場では各クラブが多くの選手を入れ替えたが、結果としてどのくらいの戦力を有しているのか。その一つの目安となるのが、市場価格の合計額だ。

 ドイツの移籍情報専門サイト「transfermarkt」では、世界中のサッカー選手の市場価格を随時更新しているが、この市場価格は選手たちの“推定移籍金”に近い意味を持っている。この市場価格を比較・分析しながら、今季開幕時のJ1リーグ各クラブがどれだけの戦力を抱えているかを考察していこう(※登録選手リストはクラブ公式サイトを参照)。

■セレッソ大阪(昨季4位/18勝6分10敗)
選手市場価格総額:24億7400万円
チーム内最高額選手:清武弘嗣(2億4100万円)

 2019年の5位を上回る4位で昨季を終えたセレッソ大阪だが、攻撃力を高めてトップ3入りを目指しレヴィー・クルピ監督を招聘した。1997年、2007年から11年、12年から13年とこれまで計8シーズンもクラブを率いてきた名伯楽の手腕に大きな期待がかかる。

 指揮官の交代に踏み切ったクラブは、下部組織出身の元日本代表FW柿谷曜一朗を名古屋グランパスへ放出するなど選手の顔ぶれも大きく変わった。10人のFW登録選手がいるなかで、最高額の評価を受けているのは、市場価格1億4000万円のオーストラリア代表FWアダム・タガートだ。そして、昨季21試合に出場して5得点を挙げたFW豊川雄太が1億1400万円で2番手となっている。

 15年ぶりの古巣復帰となった元日本代表FW大久保嘉人は、38歳という年齢もあって、市場価格はクラブ最低の600万円となっている。残り15得点に迫っている通算200ゴールを達成できれば、この評価が間違っていることの証明になるだろう。

 中盤では、2億4100万円でクラブ最高評価を受けた元日本代表MF清武弘嗣、1億2700万円のMF坂元達裕が、新監督の下でも軸となるはず。特に清武は、過去にもクルピ監督の下でプレーをしており、戦術を浸透させていく面でもカギを握りそうだ。

DF陣には4人の“1億円超えプレーヤー”を擁するが…

 最終ラインには、DF進藤亮佑、DF松田陸、DF丸橋祐介、DF瀬古歩夢と4人の“1億円超えプレーヤー”を擁している。だが、2017年から守備の要として君臨していたDFマテイ・ヨニッチ(市場価格1億9100万円)の離脱は、戦力的には痛恨となる。新加入のDFチアゴは市場価格で見れば約3分の1の6400万円、神戸から加入のDFダンクレーは3800万円だが、新外国籍選手の2人がヨニッチの穴を埋められるかは、シーズンの行方を大きく左右しそうだ。

 もう一つ、注目となるのが守護神争いだ。韓国代表GKキム・ジンヒョン(市場価格1億2100万円)に加え、ベトナム代表GKダン・バン・ラム(同3800万円)の加入が決定している。2019年にベトナムをアジアカップのベスト8に導く原動力となったダン・バン・ラムは、新規入国制限措置のため入国可能になり次第、来日してメディカルチェック後に正式契約となる。クルピ監督の采配を含め、新チームがどのように変わっていくのか注目だ。(Football ZONE web編集部)