健康力と値頃感を兼ね備えた納豆は、昨年から今年にかけて需要の高止まりが続いている。20年の支出金額は前年を大きく上回った。今年に入っても緊急事態宣言再発出に伴う巣ごもり需要、また人気テレビ番組の健康効果訴求により、大手メーカーが出荷調整を余儀なくされるほど需要は旺盛だ。

19年は長らく続いたブームが沈静し、工場稼働率が低下。納豆各社は価格訴求による販売拡大へ動いたが、昨年2月のテレビ番組で納豆が持つ多くの健康効果が紹介されると需要が急増。重なるようにコロナの影響も顕在化し、昨春は品薄が続いた。

6月以降は少し落ち着いたが、8月頃から量販店で特売が再開し、高い販売レベルが続いた。総務省の統計によると、20年の支出金額は前年比9.8%増の4千654円となり、1月以外はすべて前年実績を上回った。

年明け後は1月5日頃からメーカーの受注が急増した。量販スーパーが緊急事態宣言再発出後の巣ごもり需要を見据えて発注量を増やしたためで、大手メーカーは1月前半に出荷調整を余儀なくされた。

この状況の中、1月12日に人気テレビ番組「林修の今でしょ!講座」で納豆が特集された。放送後はまた需要が増したが、昨年のように業界全体の稼働率が一気に跳ね上がるのではなく、まず番組で紹介された商品が品薄となり、その後、他の商品に影響が及んだ。

番組では、タカノフーズ「すごい納豆 S-903」「発酵コラーゲン納豆」、ミツカン「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油」「同 とろっ豆」、あづま食品「国産大きなひきわり」「黒千石 小粒なっとう」「おろしだれ納豆」が紹介された。

中には「すごい納豆 S-903」「発酵コラーゲン納豆」のように同番組で認知度が向上し、放送前の数倍の売れ行きとなったサブ商品もあった。急激な需要増も今月に入ると落ち着き、大手メーカーは今月上旬に出荷調整を解除した。

今後について大手メーカーはコロナの完全終息後も内食需要が一定程度残ると見ており、引き続き内食需要へ的確に対応するためマーケティングやメニュー提案を強化していく考えだ。また、年々高まる健康への期待にもしっかり応えていく。

納豆 サブ品も認知度向上 さらに増す健康への期待は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。