現地時間2月20日に行なわれたブンデスリーガ第22節で、フランクフルトは首位バイエルンをホームに迎え、2-1で勝利を収めた。

 長谷部誠鎌田大地が先発したフランクフルトは、前半に鎌田とアミン・ユーネスが1点ずつを奪い、53分にFWロベルト・レバンドフスキに1点返されたものの、最後まで守り切り、勝利を手にした。

 これを受け、ブンデスリーガは21日、公式HPで「フランクフルトは今最も勢いのあるチームかもしれないが、驚きの結末だった」と綴り、勝利と敗北の要因を分析した解説記事を公開した。

 その記事によれば、試合中に計測されたさまざまなデータを集約した結果、「前半の45分が勝負を分けた」と結論づけている。

「フランクフルトの前半の攻撃は、バイエルンにとって予測不可能だった。彼らの攻撃は、フィールドエリアを4分割して考えた場合、26%が左ウイング(フィリップ・コスティッチ)から生まれていた。そして26%が左サイド(シャドー)のユーネス、26%が右サイド(シャドー)の鎌田であり、残りが右ウイング(アルマミー・トゥーレ)だった。アディ・ヒュッター監督が指示したチームの攻撃は左右にまんべんなく、受けた側にとっては、全く予測することが出来なかった」
 
 こうして多方向から常に攻撃を仕掛けられていたバイエルンは落ち着いて対処することができず、2点を失ってしまったというわけだ。

「12分に鎌田に先制点を奪われると、イーグルスは自陣でも王者を苦しめ続けた。ポジション推移を見ると、フランクフルトは各選手がまんべんなくフィールドを埋めているが、バイエルンは散り散りだ。FWでいえば、点取り屋のレバンドフスキはセンターから追いやられ、彼の好むポジションから遠ざけられていた。一方のルカ・ヨビッチはセンターサークル付近を常にうろうろすることができた」

 とはいえ絶対王者は後半から主導権を握り、試合はがらりと様相を変えた。右サイドのレロイ・ザネを中心とした攻撃を繰り出し、フランクフルトのゴールに迫った。

 ちなみにこの試合で最もプレスを受けた選手はザネだという。計53回のプレスを受けながらも、レバンドフスキのゴールをお膳立てする活躍を見せた。だが、それすらも「遅すぎた」と綴られている。

「サプライズとしたフランクフルトの勝利だが、データを見れば決して不自然なことではなかった。特に前半のアディ・ヒュッター監督のプランが的中し、フランクフルトの才能豊かなプレーヤーたち、コスティッチ、ユーネス、鎌田の能力を存分に生かすプランで先制点、追加点を奪った。バイエルンも後半は有数のタレントを中心に反撃を試みたが、気が付いた時にはすべてが手遅れだったのだ」

 バイエルンにリーグ戦7試合ぶりとなる黒星、今シーズン3敗目を与えたフランクフルトは勝点を伸ばし、来季チャンピオンズ・リーグ(CL)出場圏内の4位を維持している。

 フランクフルトは次節、アウェーで大迫勇也が所属するブレーメンと対戦する。ここまで11試合負け無し、リーグ5連勝という良い流れのまま勝ち星を積み重ねることができるだろうか。鎌田、そして長谷部の活躍にも期待したいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部