先日、"撮り鉄"たちが駅のホームで罵声を浴びせ合う光景がSNS上で話題になった。

【写真】撮り鉄の“現場”では「罵声大会」が起きることも

1月31日、「勝田工臨(かつたこうりん)」と呼ばれる列車を撮影するため常磐線勝田駅(茨城県ひたちなか市)のホームに多くの撮り鉄が訪れたのだが、そこで一部の人たちが「下がれ!」 「日本語聞こえないのか!」 「マナー守れよ!」などと罵声、怒声を浴びせ合っている動画が流出し、緊急事態宣言下というご時世もあってか世間の批判を浴びてしまったのだ。

私は鉄道系音楽グループをしている関係で、鉄道ファンの方を多く知っているが、他人に罵声を浴びせるような人が身近にいなかったため、このニュースには正直驚いた。はたして撮り鉄の現場はいつもあのような罵声が飛び交っているのだろうか?撮り鉄歴15年という撮り鉄Aさん(仮名)にお話を伺ってみた。

橋本菜津美(以下「橋本」):撮り鉄の現場はいつもあのような罵声が飛び交っているのでしょうか?

撮り鉄A:いいえ、罵声大会になることはほとんどないです。

橋本:罵声大会とはどのような状態なのでしょうか?

撮り鉄A:罵声が飛び交ってる現場を「罵声大会」と言うんです。

橋本:なるほど…今回はどうしてこのような罵声大会になってしまったのでしょうか。

撮り鉄A:今回はとてもレアな車両だったことに加えて、撮り鉄のルールを守らない人が多かったのが原因だと思います。

橋本:撮り鉄の間でのルールとはどんなものがあるのでしょうか?

撮り鉄A:代表的なものに「ひな壇」というものがあります。前の人も後ろの人も綺麗に撮影できるように、ひな壇のように三脚を立てることです。今回は前にいた人が、高く三脚を立ててしまったみたいです。

橋本:それで後ろの方が怒ってしまったのですね。こういうルールは撮り鉄なら知っていて当然のことなのですか。

撮り鉄A:私も撮り鉄を始めた頃は知らなかったのですが、友達から聞きました。それからはルールを守るようにしてますが、罵声大会が始まりそうなところには、なるべく行かないようにしています…怖いので…(苦笑)。

橋本:なるほど…。なぜルールを守らない人が出てきてしまうのでしょうか。

撮り鉄A:レアな車両って、結構早朝とか深夜とかに現れるので、みんなも必死なんですよね。「ここで撮らないと!」という気持ちでいっぱいなんだと思います。

橋本:「逃してたまるか!」という気持ちがあるんでしょうね。このような罵声大会をなくすためにはどうしたらいいと思いますか。

撮り鉄A:譲り合うのが一番だと思いますが、正直難しいと思います…。私は撮り鉄を楽しみたいので、罵声大会になりそうなところは避けて撮影をしています。
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このような問題が話題になることで、世間から撮り鉄全体の印象が悪くなってしまうことが悲しい。私は鉄道で旅をする際にいろんな車両を撮影してきたが、嫌な思いはしたことがない。なお富士フィルムはホームページ上で「走行中の列車にフラッシュ撮影はやめよう」「線路内や他人の家屋に無断で立ち入ってはいけない」「ホームで三脚や脚立を使用した撮影は控えよう」と鉄道撮影時の注意点を掲載している。撮り鉄、鉄道ファン全体のイメージを守るためにも、くれぐれもマナーとルールを守った活動を心がけていただきたいものだ。

(まいどなニュース特約・橋本 菜津美)