戦国や江戸の世を生きた歴史人物たちの「死」は、「志半ばでの無念の死を遂げた」、「余生を静かに過ごした」などと抽象的に描かれることが少なくありません。

とおい昔の話ですし、とくに疑問を持つわけでもなく「なるほど〜」と終わらせてしまうことがほとんどでしょう。ところが驚くことに、現代人の私たちにとっても教訓になるような「死因」も、たくさんあります。

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この記事では、健康にまつわる残念な「死」を遂げた歴史人物たちの話を3つ紹介いたします。

トイレでの死を遂げた「上杉謙信」

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「持病のため、志半ばでなくなった」と聞けば、なんとなくかっこよく感じる上杉謙信(うえすぎけんしん)の死。

実は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の悪化から、脳出血を起こしてトイレで亡くなっています…

馬に乗っていても酒が楽しめるようにと、「馬上杯(ばじょうはい)」という直径12センチもの盃を作らせ、酒のおつまみは食べなかったとも梅干しだったとも言われています。

敵対する武田信玄が「塩留め」されて苦しんでいるときに、塩を送って助けるなど「義に厚い武将」であっただけに、「死因」が残念すぎるっっ!

お酒は控えめに、そしてカラダのためにも野菜多めのおつまみで楽しみましょう。

江戸時代のスイーツ男子「徳川家茂」

徳川家茂

江戸時代は「飽食の時代」とも言われ、大食い競争なども開催されています。

そんな時代を象徴するかのように、14代将軍 徳川家茂(とくがわいえもち)は甘いものが大好きなスイーツ男子であり、30本もの虫歯を患っていました。

死因は、ビタミンB1が不足する「脚気」だと言われていますが、その脚気の原因は虫歯だったと言われています。

素直で誠実な人柄だったことから、孝明天皇や大臣たちからの人望も厚く将来を有望視されていただけに、虫歯が原因の「死」だなんて残念すぎるっっ…!

歯の再石灰化を阻害するダラダラ食べをやめ、丁寧な歯磨きを心がけましょう。

江戸時代の勝手健康オタク「徳川家康」

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健康オタクというイメージが強い徳川家康(とくがわいえやす)ですが、健康とはほど遠いエピソードも残っているため、都合のよい勝手健康オタクだったようです。

「大阪夏の陣」では中年太りのために甲冑がつけられず、装着を催促した藤堂高虎には「甲冑など無用」と強がりを言っていますし、歯周病を患っていたとの説もあります。

一方、トレーニングを兼ねた鷹狩りをしたり、参謀だった天海僧正のアドバイスに従って旬の食材を食べたりもしていました。

また、夏にも温かいうどんを食べてカラダを冷やさないよう気遣ったり、織田信長が季節外れの冬に贈った桃も、食べずに家臣に与えたりしています。

このような健康へのこだわりの延長とも思われる行動が、「薬の調合」です。

家康は、自分で調合した薬で胃がんを悪化させ、それが原因で亡くなったとも言われています。※天ぷらの食べ過ぎや食中毒など、諸説あります。

もしそれが本当なら、自分で作った薬でガンを悪化させたなんて…、まさに残念すぎる「死」!

こだわるのもいいけれど、専門的なことは専門の人に任せて、ゆっくりと養生したいものですね。