近年、急速に増加していた訪日中国人。2014年は約240万人だったのが、2019年には約959万人と約4倍に膨れ上がった。中国では反日感情が強いと言われているのに、なぜこれほど多くの中国人が急に日本を訪れるようになったのだろうか。中国メディアの捜狐はこのほど、「中国人はなぜ日本を罵りながら、日本を旅行で訪れていたのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事はまず、「歴史に詳しい中国人は日本に複雑な感情を抱いている」と主張。日中戦争時の旧日本兵による行為のためで、「いまだに謝罪すらない」と日本を厳しく非難した。実際には日本はこれまで何度も謝罪を表明しているが、この点はあえて無視しているようだ。

 では、多くの中国人が複雑な感情を抱いているはずの日本を旅行で訪れていたのはなぜなのか。その理由として記事は、「日本が経済的に発展していること」を挙げた。そして、製造業や電子産業の分野において日本製品は国際的に高く評価されているという理由があり、日本を訪れる中国人は「単に見識を広めたり、買い物がしたかっただけであって、歴史を忘れたわけではない」と擁護した。

 そのうえで、日本製品の質は確かに高く、経済的に余裕があれば質の高いものを買いたいというのは普通のことだと説明。また、日本人は全体的に民度が高く、サービスの質が高いことは認めざるを得ないとしている。それで、今は「国同士が互いに学び合う」時代であり、日本へ行って学ぶのも決して悪いことではないとしている。

 記事は何とか理由を付けて多くの中国人が日本へ行くことを正当化したいようだが、実際のところ訪日中国人の多くはそこまで深く考えてはいないのではないだろうか。コロナ禍で海外旅行が難しいのが現状だが、コロナ収束後の海外旅行先として多くの中国人が日本へ行きたいと回答しているとの調査結果もあり、中国人にとって日本が魅力的な観光地であることは間違いないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)