上野動物園で大人気のジャイアントパンダ「シャンシャン」は、中国に所有権があるため、2021年5月31日までに返還することが決まっている。そんなパンダを、心から愛しているのが黒柳徹子だ。

「シャンシャンの返還は悲しいです。元気に大人になってほしいですね。機会があったら、中国に会いに行きます」と語る黒柳に、パンダへの思いを聞いてみた。

「私は子供のころからパンダを研究していたんです。小学校低学年のころ、報道カメラマンをしていた叔父が、ニューヨークからパンダのぬいぐるみを持って帰ってきてくれてからです。

 パンダについては、調べたくても資料がありませんでしたが、研究は細々と続けました。パンダという名前だと知ったのも、うんと後のことです。もちろん、独学で調べました」

 パンダの載っている洋書の写真集があれば買い集め、記事が見つかれば、それをスクラップブックに貼っていった。そうして、徐々にパンダの生態にも詳しくなった。

「パンダは笹をつかみやすくするために、6本目の指みたいなものまであるんです。

 最近になって、パンダはひとり遊びが上手だとよくわかりました。

 飼育員さんが子供が使うようなおもちゃのロッキング木馬を取り上げてしまっても、延々ひとりででんぐり返しをして遊んでいたりします。

 変な格好でタイヤのブランコにしばらく揺られていたり、ボールでも何でも、ひとりでいつまでも夢中になって遊んでいます。その楽しそうなこと!

 赤いジャンバーを着ていた飼育員さんに飛びついて、ジャンバーと一日中遊んでいた、なんて子もいたそうです。

 パンダは賢くて、遊び心いっぱいで、平和的なところが私は好き。だって、かわいいんですもの。何をしていても、こんなにかわいい動物は、ほかにはいないですよね」

 黒柳は、日本パンダ保護協会の名誉会長も務めている。上野動物園のパンダもすべて見続けてきた。一番かわいいかったのは、どのパンダだろうか。

「どのパンダもかわいいですが、これまで会ってきた歴代のパンダのなかで、一番のお気に入りは、やっぱりカンカンでしょうか。

 まだみんなパンダを知らなかったころ、熱心にパンダの話を聞いてくださったのは森光子さんくらいでした。

 日本にパンダが来たときも、森さんだけは興味をもって『見たい』とおっしゃって。私が一番に上野にお連れして、カンカンをお見せしました。後になっても、『私たちパンダ見たわよね』『かわいかったわね』とずっと話題にしてくださいました」

 見かけがかわいいパンダは、実はうんちもかわいいのだという。たとえるなら、まるでリリアンだそうだ。

「だんだら色のリリアン糸を編んでいくと、ずるずると筒状になった編み物ができあがります。

 パンダの主食は竹と笹なので、基本は緑色のうんち。ところが、リンゴやカキ、トウモロコシ、サツマイモなんかも大好物で、それらを食べると、うんちがちゃんと色分けされて出てきます。

 緑のものを食べると緑、紫のものを食べると紫と、だんだらで出てくるのです。その様子が編み物のリリアンそっくり!

 パンダは腸がすごく短いそうなんです。あまり消化しない状態で出てくることもあって、変な臭いもしない。むしろいい匂いなんですよ」

 それほどまでに愛するパンダ、飼えるものなら飼ってみたい?

「1日に40kgもの笹を食べるパンダを飼えるとは思えません。その点、夢にも見られません。

 でも、もしパンダが人間の言葉を話せて、丸一日一緒に過ごせるとしたら、どこかの遊園地に行ってメリーゴーラウンドに乗せてあげたい。楽しんでくれる様子が目に浮かびます。

 パンダは私に “神秘” ということを教えてくれました。パンダだけじゃなく、人間の子供も住みやすい地球にしなければ、とパンダを見ながら私はいつも考えています」

●以上、発売中の『パンダ自身』をもとに再構成しました