恋人の本性は、ただ順調にお付き合いしているだけだと、なかなか見えなかったりしますよね。

 今回は一緒に猫を飼い始めた事で、彼の本性が浮き彫りになってしまったという女性のエピソードをご紹介しましょう。

同棲きっかけで猫を飼うことになった

 永山美鈴さん(仮名・30歳・契約社員)は、Kさん(34歳・メーカー勤務)とお付き合いを始めて2年になります。

「友人主催のホームパーティーで知り合いました。手土産に買ってきたお菓子がたまたまKとかぶってしまい、それがきっかけで会話がはずんだんです」

 お付き合いを始めて半年で同棲生活に突入した美鈴さんとKさん。

「子供の頃から、30歳までに結婚したいという思いがありまして、きっとKが運命の相手に違いないと感じたんです。そんなにカッコ良くはないですが…明るくて優しいですし、私の方からから同棲したいと誘いました」

 同棲を機に、以前から美鈴さんの念願だった猫を飼う事になりました。

◆彼がメス猫を嫌がる理由に怒り心頭

「うれしくて保護猫サイトを見ながら『どうしよう?この猫ちゃんも可愛いし、こっちの猫ちゃんもいい』とはしゃいでいたらKが『え、この猫メスじゃん…オスにしてよ』と言い出して、最初は全く意味が分かりませんでしたね」

 彼に理由を聞いてみると…。

「あっけらかんと『メスは生理になって汚いし』なんて言うんですよ? 信じられないと思いました。はぁ、何が汚いだ!自分がどうやって生まれたか考えてみろ!お母さんにも汚いって言えるのか?と私がブチ切れてしまって」

 そもそも猫は人間と排卵メカニズムが違って、生理や出血はありません。ですが、生理を汚いと言われたら、はぁ!?と思いますよね。

 オロオロする彼を見て悪気のなさを感じましたが、かえってそれが怖いと感じた美鈴さん。

「ナチュラルに本気でそう思っていて、何が私の気にさわったのか分かってないんだなと思いました。ですがせっかく築いてきたKとの関係を悪くしたくなかったので、とりあえず謝ってもらって許す事にしたんです」

 そんなこんなで、茶トラのオスの子猫、マロンちゃんを飼い始めたそう。

◆飼い猫が大きな手術をすることに

「そしたら、マロンにKの方がハマってしまい溺愛するようになって(笑)トイレ掃除もマメにしてくれるし、Kって意外と良いお父さんになるかもな、なんて微笑ましく思っていたんですよ」

 そして、楽しく猫ちゃんと暮らし始めて1年が過ぎ…。

「急にマロンの様子がおかしくなって、何も食べないし、お水も飲まなくなってしまいアセって動物病院に連れて行ったんです」

 レントゲンを撮ってみると、何かを誤飲(ごいん)してしまったらしく手術をするしかないと獣医さんに言われたそう。

「もちろん手術するようお願いしたら、命の保証はないことを承知の上で同意する…みたいな誓約書にサインしなくちゃいけなくて…お願いマロン助かって!という思いがあふれて涙がでました」

◆「死んじゃっても、すぐに他の猫をもらってくればいい」

 マロンくんの手術の日、心配で食事ものどを通らずお祈りをする美鈴さん。

「そんな私に、Kが『もしマロンが死んじゃっても、すぐに他の猫もらってくればいいだけだよ。元気出して』とにこやかに言ってきたんですよ。今、マロンが頑張っている最中なのに…なんてこと言うんだと殺意がわきましたね」

 そして「マロンの命を何だと思っているの?ぬいぐるみみたいに、壊れたら取り替えればいいみたいな考えなワケ?」と再びキレてしまったそう。

「そしたら、またオロオロしながら『だってせっかく猫は可愛いって分かったし、キャットタワーとかトイレとか全部そろえたのにもったいないと思って』なんて言うのであきれてしまいました」

◆飼い猫の命を軽く見る男性とは一緒にいられないと破局

 彼にとって、マロンくんも自分も代えのきく存在で、さほど大切に思われていなかったと感じた美鈴さん。

「マロンの手術中だっていうのに、Kに別れを切り出して…私のキレっぷりがよほど怖かったのか、しぶしぶ了承してくれました」

 そして後日、美鈴さんは手術が上手くいったマロンくんと一緒に彼の元から出て行きました。

「マロンの命をあんな風に軽く見る男と一緒になんていられないし、あんな男と子育てなんて絶対にできないと思いましたね」

「生理汚い発言には何とか目をつぶりましたが、マロンの件は今思い出してもムカムカしますね」と苦笑いする美鈴さんなのでした。

―夫・彼氏を殺したいと思った瞬間―

<文&イラスト/鈴木詩子>【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。