【森保ジャパンの理想布陣|石川直宏】ボランチは「実は冨安が面白いんじゃないかな?」

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により日本代表の活動が大きく制限され、10月と11月に欧州組限定メンバーでオランダとオーストリアで4試合を戦った。

 21年3月から延期されていたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選が再開されるなか、森保一監督率いる日本代表はどのようなメンバーで臨めばいいのか。

 元日本代表MF石川直宏氏に、現時点での森保ジャパンの「理想布陣」と国内組から代表に推したい選手を選んでもらった。

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 石川氏は2000年にJリーグデビューを果たし、俊足のサイドアタッカーとして頭角を現わすと、03年にA代表初選出、04年にはアテネ五輪のメンバーに招集された。J1リーグ通算290試合49得点、日本代表で国際Aマッチ6試合出場の成績を残した。そんな石川氏に、森保監督が率いる現在の日本代表の「理想布陣」について訊くと、開口一番に「三笘(薫)と(久保)建英から逆算したチームにしたい」と語った。

「世界での戦いを見据えれば、やっぱり4-2-3-1システムはバランスがいいかな。左は間違いなく三笘。右に建英を置きたいな。建英がカットインして、ドリブルで相手DFを食いつかせて、ボールウォッチャーになる裏を三笘が狙う形。2人の良さを引き出すため、センターフォワードとトップ下は、足下にボールを収められる大迫(勇也)、攻守にハードワークする南野(拓実)を置きたいね」

 ボランチに関しては「まず(橋本)拳人を使いたいね。得点力もあって守備面でも強靭なボックス・トゥ・ボックスを置きたい」と前置きしつつ、相方には現在好調を維持しているMF遠藤航ではなく、意外な名前を挙げた。「相方は実は冨安(健洋)が面白いんじゃないかな? ボランチでも十分なレベルを示していたし。拳人とゴリゴリいけるし、フィード能力も補える。そして昨季終盤、強さと上手さを兼ね備えるアンカーとしてルヴァンカップ優勝に貢献したモリゲ(森重真人)も観てみたいね」と、森保ジャパンでは不動のセンターバック(CB)となっている冨安のボランチ起用、そしてFC東京でCBが本職ながらアンカーとしてルヴァンカップ制覇に貢献した森重の代表復帰に太鼓判を押している。

「冨安やモリゲをボランチに置いておけば、試合途中で3バックにスムーズに移行できる」

「冨安やモリゲをボランチに置いておけば、試合途中で3バックにスムーズに移行できるし、案外対応力のある布陣になるんじゃないかな。そうなると、センターバック(CB)は吉田麻也と、スピードがある昌子源のコンビかな。GKはゴンちゃん(権田修一)だね! 左サイドバック(SB)は、精神的支柱でもある(長友)佑都、右SBは酒井宏樹になるよね」

 石川氏は、もし仮に自身が監督であれば、右の久保でゲームを作り、左の三笘でゴールを仕留めるチーム作りを目指すと強調し、「森保さんに一石投じられたら面白いな(笑)」と笑顔で答えていた。今冬の移籍市場でヘタフェに期限付き移籍したMF久保建英、2020年シーズンにルーキーながら13ゴール12アシストを記録した三笘が、日本代表で共闘する未来は目前に迫っているのかもしれない。

[プロフィール]
石川直宏/1981年5月12日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスユースから2000年にトップ昇格しJリーグデビュー。02年に出場機会を求めてFC東京へ移籍して以降、17年の引退まで16シーズンにわたってプレーした。09年にはキャリア最多15得点をマークし、Jリーグベストイレブンを受賞。J1通算289試合49得点の成績を残している。日本代表としても年代別代表から活躍し、01年ワールドユース(現U-20ワールドカップ)、04年アテネ五輪に出場。国際Aマッチ6試合0得点。18年からFC東京クラブコミュニケーターを務めている。

(Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)