専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第289回

 最近のゴルフ場は、結構混んでいますよね。コロナ禍にあって、ほとんどのレジャーや会合が自粛モードになっていますが、「ゴルフは大丈夫だろう」と、たくさんの人が来場しています。

 確かに居酒屋でワイワイ新年会をやるよりも、4人以下でササ〜ッとラウンドだけして帰れば、感染リスクは低いでしょう。

 アマチュアゴルファーには年に数回、"お約束のコンペ"というのがあり、みなさん、それを楽しみにしています。でも昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、総じて中止になりました。そのコンペに代わって、プライベートラウンドが増加したのではないでしょうか。

 コロナ禍にかかわらず、いつも混んでいる有名なコースが各地域にあります。なにゆえ、そのコースは混むのか?

 よく言えば、営業努力の賜物。悪く言えば、"予約の取りすぎ"という面もあるのですが、我々も混むのがわかっていて行くので、ある意味、仕方がないことです。

 じゃあ、混むことを知っていて、なぜ行ってしまうのか?

 まず挙げられるのは、プレー料金の安さです。今はインターネットの時代ですから、各地域の一番安いコースを即座に検索できます。だいたい相場は決まっており、それより1000円でも安かったら、そのコースにお客さんが集まります。

 もちろん、アクセスやコースレイアウト、従業員の対応、食事の美味さなど、こだわるところは人それぞれありますが、やはり多くの人にとって、プレー料金が最大の選択肢になっていることは間違いないでしょう。

 しかも、最近の予約システムはプレー前日まで予約可能で、「直前割り」といったサービスもあったりして、誠にうまくできています。

 そうやって、まんまと激混みコースにやって来てしまったのは、自業自得のような気もしますが、そんな状況でもうまく対処して、できるだけ楽しくラウンドしたいものです。状況別に分けて、激混みコースにおける対処法を考えてみたいと思います。

(1)時間がかかるラウンド
 通常、ハーフ2時間15分ぐらいで回るのをよしとしていますが、混んでいるコースでは3時間かかることもざらです。これはもう、一日仕事と思って「日没までにラウンドできればいいや」と、あきらめの境地で臨むしかありません。

 そうしたコースでは、すでにスタート時間になっているのに、前にはまだ2組が待っていたりして......。最初から時間がズレてしまっているんですな。

 その遅れは、ホールごとに加算され、名物ショートホールなんかに来ると、もはや渋滞の嵐です。まあ、そういうところは手前にお茶屋があったりするので、そこで時間を潰せるからいいですけど、ロングホールで渋滞に遭遇したら、悲惨ですよ。

 グリーンまで見える見晴らしのいいレイアウトだと、コース内に2組が待機していて、さらにグリーン上にも人がいて、コース内に「いったい何組いるんだ!?」といった状態で、ティーショットを打つ前からげんなりしてしまいます。

 こうした状況にあって、大事なことはイライラしないことです。スタートの予定時間がズレ込んだら、パターの練習を入念にやればいいだけ。素振りでもいいし、人目のつかないところで、アプローチの練習をしてもいいです。

 昔、ものすごく混んだ日に来てしまって、スタートもかなり遅れたことがありました。結局、日没ギリギリで最終ホールにたどり着いて、懐中電灯を照らしてパットをしたことがあります。それもまた、よき思い出です。

 ですから、いくら混んでいても「あとでネタになるじゃん」くらいの余裕を持って臨みましょう。


混んでいてもイライラせず、「あとでネタになるじゃん」くらいの余裕をもってプレーしましょう。illustration by Hattori Motonobu

(2)トイレも混む
 お客さんがたくさん入っているコースは、朝のトイレも混みます。みなさん、生理現象として、朝食を食べてコーヒーなどを飲むと、行きたくなるんですね。

 以前、個室トイレに入ろうと思ったら、どこも使用中で大慌てしたことがあります。偶然、ひとつだけ空いていて、急いでそこに入るや、なんと和式でした。どうりで人気がないわけだ......。けど、我慢の限界を越えていたので、その個室を利用させていただきました。

 混んでいるトイレの対処法は、別の場所にあるトイレを予め探しておくことです。2階のレストラン&バンケットフロアにも大概トイレはありますから、そちらへ行けばいいのです。

(3)練習場も混む
 お客さんがたくさん入っているコースは、当然ながら練習場も混みます。すでに練習している人の打席の後方で、ボールの入った籠を置いて待つのは当たり前。

 ただ、スタート時間が迫っていたりすると、時計を気にしながらイライラすることも......。以前、かなり待たされたことがあって、結局練習するのを諦めて、練習場のコインを返したことがあります。

 混んでいるコースでは、クラブハウスから練習場までの距離をチェックしておくことも大事です。5分ぐらいかけて歩いていったら、練習場が激混みだった!? なんてことになると、これまた悲惨ですから。そうならないためにも、事前にキャディーマスター室で、練習場までの距離や混み具合などを聞いておいたほうがいいでしょう。

 練習場が混んでいて、せわしなく練習するぐらいなら、いっそしないのもアリです。アプローチやパターの練習、素振りに専念するテもあります。そこは、臨機応変に対処しましょう。

(4)組み合わせになることも
 常に混んでいるコースでは"組み合わせ"で、他のゲストが入ってくることがあります。これは、仕方がないことです。2サムや3サムでラウンドさせてくれるところもありますが、その場合はコースによってはきっちり割り増し料金を取られますからね。

 混んでいるコースでは、2サムでプレーしている組はほとんどありません。いくつかあったとしても、メンバーさんだったりします。

 あと、『ひとり予約』を使ってエントリーした場合でも、組み合わせで4人になるケースが多いです。「2サム保証」と記されていない限り、コース側は詰め込んできます。

 混んでいるコースであれば、なおさらです。「2サム保証」をしていないことが多いですし、スタート直前に誰かが入ってくる可能性も十分にあり得ます。

(5)昼休みも長い
 混んでいるコースによく行かれる人は何度も体験していると思いますが、そういうコースの昼休みは長いです。通常40分ぐらいなのが1時間以上、というのがざらです。

 個人的には、長い昼休みのほうがゆっくりできて好きです。同伴メンバーと冗談を言いながら、「19番ホールはどこに飲みに行く?」などといった話で盛り上がるのが楽しいです。

 ただ、余りにも昼休みが長いと、午後のスタートも当然遅れてくるので、今の時期は日没が心配になります。ゴルフ場はそうならないように管理していますが、予想外の遅さも起こり得ますからね。

 では、その"予想外"とはどういったものか。

(6)余りにも遅い組がいる
 いつも混んでいるコースは、万遍なく渋滞しています。けど、ごくたまに、極端に遅い組がいるケースがあります。それが、前の組だったりするとたまりません。

 ロングホールなどで、前方が開けているレイアウトがあるじゃないですか。そこで、前方を見渡してみると、前の組の先がいない。ガラガラでグリーンも空いている。「なんだよ、渋滞の原因は前の組じゃないか!?」とね。

 こういう時は、ナビゲーションパネルからマスター室に連絡するか、携帯電話でフロントに連絡するかして、事情を説明しましょう。すると、程なくマーシャルがやってきて、前の組に進行を早めるように促してくれます。

 大切なことは、決して自ら注意しないことです。トラブルの原因になりますからね。

 結局のところ、昔から「長いモノには巻かれろ」と言われていますから、渋滞にも巻かれるしかないのかもしれません。

 ゴルフは丸一日かけてやるもの。なんだかんだ言っても、日没にはケリがつきますから。そうして、ラウンド後はアフターゴルフを思い切り楽しみましょう。