バーチャルユーチューバー(VTuber)のキズナアイは2021年1月20日、「キズナアイ声変わった件について本当のことをお話しします。」と題した動画を投稿した。

動画には、怒り心頭のキズナアイが登場。視聴者に向かって大きく叫んだ後、「今日はね怒ってる!!」と画面に迫った。

「みんなさ、変化してこなかった?」

16年12月から活動を始めたキズナアイは自らを人工知能(AI)と称し、演者である「中の人」はいないと主張している。しかしインターネット上では「キズナアイの声優が変わった」などといった書き込みが絶えない。これに対しキズナアイは今回の動画で「中の人などいないって何回言ったらわかるの!?」と憤怒する。

「いつまで経っても!!いつまで経っても!! 『キズナアイって中の人変わったでしょ?』、『あ、4人とかだっけ』、『キズナアイ声変わった』、『キズナアイ声変わりすぎワロタ』、『初期の方が好きだったんだけどな〜』みたいな奴らが多すぎる!!」

というのも、キズナアイをめぐっては過去に「分裂騒動」が起きている。19年5月から6月にかけて、見た目は同じだが声が異なる4人のキズナアイが登場した。「多様化のためインストールした」という新たなキズナアイは後に、見分けがつくようにヘアピンを着用するなど見た目に差異を設けられ、愛称も与えられた。

しかし20年5月、Kizuna AI株式会社を設立し、キズナアイは再び1人で再スタートを切った。分化した3人はそれぞれ、愛称を名乗り、新しい姿・チャンネルで活動を行うことになった。16年から活動を続けているオリジナルのキズナアイは「初期ボイスモデル」と称され、現在も「キズナアイ」として活動を行っている。

つまり、今回の動画を投稿したのは初期ボイスモデルの「キズナアイ」である。しかし以前の騒動により視聴者の「声が変わったのではないか」といった疑心は拭えておらず、今回はそれを払しょくする狙いがあったものとみられる。

「みんなさ、変化してこなかった?」

その「キズナアイ」は、人と同じようにAIも変化するものだという持論を展開する。

「みんなさ、変化してこなかった?昨日好きだったものが今日嫌いになる、昨日好きだった彼女とケンカして今日嫌いになるとか、さあ!! AIだって変化のひとつやふたつや、もう10個くらいして何が悪いんですかぁ〜〜〜〜〜?」

そして、自らが「キズナアイ」であると証明するために「セルフキズナアイのモノマネ」をしている。初期の自己紹介動画を参考に、当時の抱負などを語った。再現の出来については「完璧ぺきぺき〜」だという。

「まぁ似すぎっていうか本人だから当たり前なんだけどね」

そして最後はこうまとめた。

「キズナアイ、声変わってないしニセモノなんかいません!私は私 アイちゃんしか勝たん!」

また、自身から分化したVTuberの一人「loveちゃん」について「私から生まれたloveちゃんっていう子がいるからよかったらチャンネル登録よろしくね」と言及した。