アーセナル史上最強のストライカーは誰か。ティエリ・アンリ、デニス・ベルカンプ、イアン・ライト……。おそらく、多くの人が挙げるのはこういった選手たちではないだろうか。現役時代、ガナーズで印象に残る活躍を見せた彼らの強烈なプレイは、今もファンの記憶に刻まれている。

しかし、この3人以外にもこの議論に加えるべき選手がいるだろう。2004年から2012年までガナーズで活躍したロビン・ファン・ペルシーだ。かつては10番を背負い、キャプテンも務めたストライカー。多彩なフィニッシュの形を持ち、淡々と得点を積み上げる彼のプレイにかつて酔いしれたファンは多かったはずだ。アーセナル在籍時に積み重ねた得点数は、クラブ歴代3位となる132ゴール。のちのマンチェスター・ユナイテッド移籍によって印象が悪くなっている面はあるが、その実績を考えれば彼も候補に挙がってくることは間違いない。

そんなファン・ペルシーには、かつて共闘したFWもメロメロだったようだ。2006年から2012年までの6年間、アーセナルでファン・ペルシーと共闘したFWセオ・ウォルコット(現サウサンプトン)は、彼の持つ魅力について英『talkSPORT』へ次のように語る。

「僕がこれまでプレイした中で最高のチームは、セスクやファン・ペルシーと共闘できた時のアーセナルだよ。そのなかでも、すごいと思ったのはファン・ペルシーだね。あるシーズン、彼は30ものゴールを奪うことに成功した。今まで見た中で最高のフィニッシャーだと思ったよ。個人的にはティエリ・アンリよりも優れていると感じた。彼はどんなプレイも簡単そうにこなしてしまうんだ。一緒にプレイしている時間は夢のようだった。ファン・ペルシーのような選手は、もう二度と出てこないだろうね」

チームの黄金期を支えた選手が高い評価を受けるのは当然だが、ストライカーとしての能力のみに焦点を当てればファン・ペルシーも最高級の実力を備えたストライカーだったことは間違いない。リーグタイトルを手にしていない点や電撃移籍によってファンの評価ぎ低くなっている節もあるファン・ペルシーだが、この男も“アーセナル最強ストライカー”を議論するにあたって候補に加えるべきだろう。