絶対王者の完敗は、小さくない衝撃を与えた。1月17日のセリエA第18節、インテルとのイタリアダービーで、ユベントスは0-2で敗れた。

 一部で「勝者のサイクルの終焉」も囁かれるほどの黒星は、元インテルのアントニオ・カッサーノにとっても想定外だったようだ。『calcimercato.com』によると、クリスティアン・ヴィエリのツイッチのチャンネル『BOBO TV』で、元イタリア代表FWは「インテルがユベントスを痛めつけた」と話している。

「想像していなかったよ。互角の戦いになるだろうと思っていた」

 インテルが後半に2点目を奪うと、クリスチアーノ・ロナウドは冷笑とも受け取られかねない表情を浮かべた。その真意は、本人にしか分からない。確かなのは、アンドレア・ピルロ監督が率いる現在のユーベで、C・ロナウドが輝けているのかを巡る議論が後を絶たないということだ。

 カッサーノも「以前、ピルロのアイディアではロナウドが問題になると言った」と、ピルロの下で絶対エースが苦しんでいるとの見解を示している。
「オレはロナウドを評価しているんじゃない。800ゴールも決めた選手だからね。ただ、新しいサイクルとアンドレア(ピルロ)の考えでは、ロナウドが苦しみ出していると思う」

 さらにカッサーノは、「直近の試合では、ピルロのアイディアにロナウドを見出せないんだ。プレスをかけたり、走ったり、ライン間でプレーしていない」と続けた。

「オレは、アンドレアのアイディアでも未来があるだろうと信じている。だが、ユベントスが変わっている今は、邪魔なんだ」

 ピルロ・ユベントスがC・ロナウドにフィットしていないというカッサーノの意見は議論を呼びそうだ。

 確かなのは、ピルロもC・ロナウドもユベントスも、巻き返しに意気込んでいるということだ。20日のナポリとのスーパーカップで、“老貴婦人”はトロフィーを掲げることができるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部