日本では幼稚園や小学校での教育を通じて、子どもたちに集団行動の大切さや協調性、さらには責任感などを教えているが、中国メディアはこのほど、日本人の人間性は「小学校の給食」で形成されていると論じる記事を掲載した。

 記事は、日本の学校給食は中国の多くの親たちから注目され、称賛されていると紹介しているが、日本人にとっては特に珍しいことのない給食のどのような点を中国人は称賛しているのだろうか。これについて記事は、日本の小学生たちはテーブルクロス、歯ブラシ、箸を持参しており、「机を汚さずに食べ、食事後には歯を磨くこと、割りばしを使用しないことによって資源を節約することなどを学んでいる」と指摘した。

 続けて、小学生たちは給食係を当番制で担当しており、「当番の生徒たちは給食白衣をきちんと着用しているか、手を洗ったかなどをきちんとチェックした後に給食を取りに行き、調理師に感謝の言葉」を述べると紹介。そして、教室に運んだ給食をすべての生徒に配分し、食べ終えたら各自が片付けを行って歯磨きまで行うと紹介し、「これらすべての行動は生徒たちだけで行う」のであり、教師が一切手を出さないのは驚きだと論じた。中国では親や祖父母が「何でもしてあげる」がゆえに、1人では何もできない子供が多いと言われるが、こうした現状から比べれば、日本の子どもが給食で配膳から片付けまですべて行うのは驚きかもしれない。

 また記事は、日本の小学生たちは給食を通じて、様々な物事の背後にある人の苦労を知ることができ、また感謝の気持ちや責任感などの集団行動における重要な特質を身に付けることができると指摘。日本の給食教育が非常に優れているのは「実践を通じて学ばせる」からであり、これは単に言葉だけで済ませる教育よりもはるかに大きな効果があると説明した。

 さらに小学校教育で重要なのはペーパーテストの点数ではなく、子どもたちの精神に「優れた価値観」を形成することだと指摘し、日本の「給食教育」は子どもたちのその後の人生に深い影響を及ぼす優れた価値観の育成に役立っていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)