日本でも続々と新しい商品が発表されている、デリケートゾーン用のふき取りシート。ジムの後や汗をかいた日、シャワーをなかなか浴びられないときでも、これがあればデリケートな部分もすっきり清潔に過ごせるという優れもの。

多くの製品が低刺激の素材で作られているため、ふき取りシートのさっぱり感やほのかな香りがクセになり、なかには頻繁に使っている人もいる様子。けれど、実のところヴァギナには自浄作用があるので、必ずしもふき取りシートを使う必要はないという意見も。

そこで本記事では、婦人科医の解説による「デリケートゾーン用ふき取りシートの正しい使い方」を、<グッド・ハウスキーピング>からお届けします。

デリケートゾーン用ふき取りシートの安全性

適切な用法を守ろう

ニューヨーク州ウエストチェスター郡の婦人科医であり、Vゾーンに関するあらゆる知識を解説した『The Complete A to Z for Your V(原題)』の著者であるアリッサ・ドゥイック医学博士によれば、みっちりワークアウトした後や通勤で汗をかいた後など、必要のあるときに使う分には、ほとんどのふき取りシートは安全だと言えるとのこと。

ただし、とてもデリケートな部分なので、ダメージを受けることも。膣感染症になりやすい人は、どんなふき取りシートのであっても使用を控えた方が良いかもしれません。特に香りのついているタイプには注意するようにしましょう。

「pH調整」や「抗菌」の表示には注意が必要

ふき取りシートのなかには「pH調整(酸性またはアルカリ性の度合を調整すること)」と表示されたものがあるけれど、これにも注意が必要だとドゥイック博士は指摘。

外陰部および膣にはそれぞれ正常時のpH値が決まっていて、「シートがそのpHに調整されていなければ、正常時のpH値にはならない」のだとか。

「抗菌」とうたわれているシートにアルコールが含まれていることもありますが、ドゥイック博士によれば「その効果は長続きするとは言えず、菌による感染症を治療するわけではない」とのこと。

そう考えると「pH調整」や「抗菌」と表示されていることを、ふき取りシートを買う決め手にするのは避けるべきだと言えそう。そして忘れてはいけないのが、ふき取りシートはデリケートゾーンの外部に使用するためのものであって、内部につかうためのものではないということ。

内部まで使用してしまうと、膣内部のpH値に影響を及ぼし、感染症を引き起こす可能性があると、ドゥイック博士は警告しています。

尿路感染症の疑いがある人は使用を控えて

尿路感染症がある人にドゥイック博士がおすすめしてくれたのは、ふき取りシートではなく「普通の水か、お湯で濡らしたコットンのタオル」を使う方法。

ドゥイック博士曰く、体質やシートの成分によるものの、ふき取りシートの使用が原因で尿路感染症になりやすくなる可能性もあるとのこと。尿路感染症の原因を突き止めるのは難しいですが、デリケートゾーンに余計な刺激を与えることはやめておくのが無難なよう。

赤ちゃん用おしりふきで代用できる?

赤ちゃん用にもデリケートゾーン用にも似たような成分が含まれていることが多いのですが、赤ちゃん用の商品の中には、デリケートゾーンに使用するには刺激になり得るものもあるそう。

ベストなふき取りシートを探し当てるには「トライ&エラー」を繰り返すことになるかもしれませんが、ドゥイック博士も「いくつかのブランドを試してみるのがおすすめ」とアドバイスしています。

ふき取りシートで気になるニオイも解決?

「デリケートゾーン用ふき取りシートは、“応急処置”として汗によるにおいを解決するには最適なアイテム」と、ドゥイック博士。

たしかにヴァギナには本来のニオイがありますが、それに関しては対処をする必要はありません。ただし、いつもと違うニオイがしたり、強いかゆみを感じたりするような場合は感染症の可能性があるので、迷わず婦人科医に相談しましょう。

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※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 中尾眞樹(Office Miyazaki Inc.)

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