こんにちは、恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。

◆断って空気を壊したくない?

「付き合ったらセックスしていい」
「家で二人っきりならOK」
「3回目のデートはセックスしても良い頃」
など、暗黙の了解と思われていることって色々ありますよね。

 こういった何の根拠もない情報に振り回された経験がある方って、多いのではないでしょうか。かくいう私もそうです。特に相手がそういう認識だろうと思うと、断って空気を壊す方が常識はずれかもしれない……と悩む時期がありました。

 でも近年は、セクハラやレイプ事件などをきっかけに、「性的同意」について議論される時代になりました。そもそも、どんなに暗黙の了解に見えたとしても、当人がNOと言えばNO。それが性的同意のベースです。

 無理に受け入れて悩んだり、トラブルを避けるためにも、正しく断る力を身につけたい。今回も前回記事に続き、性教育YouTuberとして活動する、助産師のシオリーヌさんにお話を聞きました。

◆付き合ったらOK、家にいったらOK、じゃない

「やっと最近『性的同意』という言葉が広まってきました。まず、アクションを起こす側(性行為を望む側)が同意を確認する必要が必ずあります。OKの確認ができないまま性行為をおこなうと、それはカップルでも夫婦でも性暴力につながります。前提として、誰でも受け入れるかどうかを選択する権利があって、それを判断し伝える権利があることを分かって欲しいです」(シオリーヌさん。以下同)

 シオリーヌさんは性的同意について「まずは個々の権利を知ることが1番大事」と話します。

「自分には自分のおこないを決める権利があるし、相手には相手のおこないを決める権利がある。人権意識がベースにあると良いのかなと思うのですが、性行為といったデリケートな場面になると、どうしてもこの考えが発揮できない女性が多いのも事実です。
 そもそも『付き合ったら〜』とか『家に行ったら〜』といった基準は、『OK』ではないです。これは断る側が頑張って伝えるというより、『暗黙の了解ではないんだよ』ということを、私たちが男女どちらにもメディアを通じて伝えていきたいです」

◆性に対する「モヤモヤ」を感じたら

 しかし、断る権利があると言っても、世の中には「受け入れる方が楽、拒否して揉めるのが面倒」というように、受け入れることが1つの処世術になっている女性が存在します。

 それはおかしいと頭では分かっていても、一歩踏み出して断る怖さもある。そんな女性たちは、最初に何をすべきでしょう。

「性教育やフェミニズムの本や動画、Twitterなどに日常的にたくさん触れるのが良いと思います。女性の尊厳について刷り込まれてきた価値観に違和感を抱いていたら、それは情報に触れていくチャンスです。ただ、価値観を変えていくことってとても時間がかかります。だからこそ、まずは『こういう風に考えたらモヤモヤが晴れるのかも』と思える情報にたくさん触れてみてほしいです」

◆「無理して男性に合わせなくていい」当たり前の事実

「自分の違和感は正しかった」と後押ししてくれる情報に触れる中で、今までパートナーと出来なかったコミュニケーションをしてみる勇気が湧く人もいるでしょう。

 自分が変わるためには、今までの“当たり前”を無理なく新しい価値観に変えていくことが重要です。それは1日2日では難しい。だからこそ「これって本当に正しいの?」と違和感を覚えたタイミングで、様々なメッセージに触れることが、変化にも繋がるのかもしれません。

 女性も男性も、相手に合わせて無理してセックスに応じる必要はない。その権利を、誰しも等しく持っている。まずはこの事実を心に刻んで進みましょう。

【お話を聞いた人】
シオリーヌ(大貫 詩織)
助産師/性教育YouTuber
総合病院産婦人科、精神科児童思春期病棟にて勤務ののち、現在は学校での性教育に関する講演や性の知識を学べるイベントの講師を務める。性教育YouTuberとして性を学べる動画を配信中。オンラインサロン「yottoko labo」運営。著書「CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識」(イースト・プレス)
YouTube:【性教育YouTuber】シオリーヌ

<取材・文・イラスト/おおしまりえ>【おおしまりえ】
水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518