古田敦也氏はプロ野球ビジネスについて、日本のプロ野球の歴史から、テレビの放映権中心のビジネスから、球界再編問題などもあり、人気が落ちていったが、楽天やDeNAの参入などを経て、昨年は横浜スタジアムでチケットが取れなくなるくらい人気になっていった野球ビジネスの概要を説明した。

プロ野球の16球団構想に関して古田敦也氏は賛成の立場でまたまだチャンスがあり、楽天が東北、日本ハムが北海道で証明したように、東京に一極集中している中で、魅力的な中核都市を作るためには重要な事を説明した。
たとえば、新潟市は人口80万人だが、イチローのいたシアトルよりも大きく、十分盛り上げられる規模だとした。さらに、16チームになれば、地区を分けられるようになり、移動コストも下がり、地域を応援するファンの獲得にもつながるため利点が大きいとした。

ソフトバンクの中国進出に関しては、「グローバルに見るとサッカーチームは田舎にある事が多いが、ファンは世界中にいる事が多く、ローカルとグローバルな活動が必要だ。」と、石井氏は語った。

高校野球が人気の日本とグローバルの違いについて古田氏は、「アメリカはカレッジバスケットが人気なように、地元のフットボールや野球を応援するというマインドは海外にもある」とした。さらに日本では地元で育った選手がメジャーリーグに挑戦する際に応援する姿は健全な形だとした。

コンテンツとしての野球に関して石井氏は、野球YouTuberが増えており、草野球で楽しみながらメーカーとタイアップするユーザーが増えているなど新しいビジネスが増えていること。中国へのスポーツ留学もあるが、中国ではマイナースポーツの野球だが、プレイ人口は日本よりも多いくらいで、YouTuberと中国、さらに野球OBが入ってくると大きな市場になるのではないかとした。

古田氏は今後のプロ野球に関して、「リピーターを増やすことが重要で、新しいメディアでどう広げていくかが必要。野球は投げ方や打ち方などで技術的な事が多いため、細かな説明を野球ファンに届けられるインターネットは向いている。」とした。
ひとつの例として、YouTubeで話題になった古田氏が女の子にキャッチングを指導した動画について語り、「たまたま行ったイベントで教えて欲しいと言われたことがきっかけだった。」として、「ちょっとしたコツを教えただけで再生回数が100万回行くようなメディアを使えば、ファンも喜ぶのではないか。」と語った。

左が株式会社ミクシィのプロスポーツ事業部長 石井宏司氏、右が元プロ野球選手兼監督で、現在はスポーツコメンテーターとしても活躍する古田敦也氏
■消費から創出へ。より地域の中へ。UBS Arenaの使命
今回、特別セミナーの司会を務めたUBS銀行 ウェルス・マネジメント本部の山本佳司氏は、UBSにおけるスポーツの取り組みについて語った。
UBSは様々なこれまで様々な競技にスポンサーシップをしていたが、新しくNHLのニューヨーク・アイランダースにスタジアムのネーミングライツとして「UBS Arena」という形で支援するプロジェクトがスタートしていることを紹介した。

UBS Arenaはアリーナとその周辺を含めた開発を投資金額1560億円で行うとのこと。この投資により、契約期間の20年間で周辺地域の経済活動2兆6000億円の創出が見込まれる。雇用面では建設で1万人、維持に3000人の雇用が生まれる。さらに駅を引き込むこと、費用の30%をマイノリティの参画のために使う。さらに教育など、地域と密着し、スタジアムに名前を付けるだけではなく、街を作り出すプロジェクトであることを説明した。

古田氏は「日本でもこのようなケースが増えていけばと思う。日本でも是非入っていただきたい。」と語り、続けて石井氏が日本に何があればこのような投資が出来るのかを質問した。
山本氏は「スポーツとお金を稼ぐ事があまり結びついていない風潮があるが、様々な経営者が『(自身の)コアビジネスのためにいかにスポーツをビジネスで活用出来るか』という考え方が重要では。」と語り、「スポーツにはクラブや選手はもちろん、コミュニティという地域性、人材、テクノロジー、食べ物など参入の裾野が広いビジネスであり、企業経営者の方がそれに気づいて欲しい」と語り、今回のセミナーがそのきっかけになればとしてまとめた。

特別セミナーの司会を務めたUBS銀行 ウェルス・マネジメント本部の山本佳司氏
今回の特別セミナーは、プロスポーツと、それに関わるビジネスについて、あらためて考えさせられるセミナーであった。

■UBSウェルス・マネジメントの口座開設について

■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook

カルチャーに関連した記事を読む
・60分 880円、シュリンプカクテル食べ放題!2020年最後のイベント
・クランプ式で後付け簡単引き出し!サンコー『後付けどこでも引き出し「ちょこっトレイ」』
・これ一つで無人島制覇!30in1超軽量カード型「PockeTool2.0」
・「兎田ぺこら」×「百年梅酒」がコラボ!『百年梅酒 ぺこらver.』が登場
・水素社会の実現に向けた社員の想い!新しいエネルギーがもたらす未来のカタチとは?