2020年10月、Microsoftは「生産性スコア」というMicrosoft365の新機能を発表しました。生産性スコアは管理者が各従業員の行動を可視化できるというもので、「EU諸外国では合法的に機能を使えないのではないか」と指摘されるほど、プライバシーの観点から大きな問題が指摘されていました。この指摘を受けて、Microsoftが機能を一部削除することを発表しました。

Our commitment to privacy in Microsoft Productivity Score - Microsoft 365 Blog

https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2020/12/01/our-commitment-to-privacy-in-microsoft-productivity-score/

Microsoft will remove user names from ‘Productivity Score’ feature after privacy backlash - GeekWire

https://www.geekwire.com/2020/microsoft-will-remove-user-names-productivity-score-feature-privacy-backlash/

この機能はツール管理者が「個々の従業員がどのようにメールやチャットを使っているか」を可視化・数値化できるものですが、プライバシー研究者であるWolfie Christl氏は「従業員を監視するための強力なツールになる」と危惧していました。

ユーザーの生産性をスコア化する新機能により「Microsoft 365」は従業員監視ツールになってしまうという指摘 - GIGAZINE

生産性スコアは各従業員の活動を個人レベルで分析することが可能であり、メール送信日数やチャット使用日数を含めた活動内容を詳細に知ることができるため、「広範な職場監視が可能になります」「ほとんどのEU諸国では従業員が合法的にこれらの機能を使用できるとは思えません」と指摘されるほどでした。

このような指摘を受けて、Microsoftは12月1日付けでいくつかのデータ表示機能を削除することを発表しました。Microsoft 365のヴァイス・プレジデントであるJared Spataro氏は「生産性スコアにおけるコミュニケーション、ミーティング、コンテンツコラボレーション、チームワーク、そしてモビリティの指標は、組織レベルでのみ集計されることになりました」と発表の中で述べており、ツールから「ユーザー名」を排除することで、管理者が生産性スコアを使って「各従業員がどのようにツールを使っているか」を個人レベルで確かめることができなくなったと説明しました。

また、Microsoftは今後、生産性スコアのアップデートを行い、個人ではなく組織全体の生産性にアクセスする設計であることを明確にする予定だとしています。

「過去数日で、私たちは製品の機能について混乱が起こっていることに気づきました。生産性スコアは組織のスコアを出すことを目的としたものであり、各ユーザーを評価するために設計されたものではありません」とSpataro氏は述べています。一方で、Microsoftは「会議の参加者の顔や動きを認識して会議を採点するシステム」の特許を取得していることも明らかになっており、「Microsoftは従業員を監視するためのアイデアを模索している」とも指摘されています。

Microsoftが「会議の参加者の顔や動きを認識して会議を採点するシステム」の特許を申請 - GIGAZINE