何も改善されたところがない。例年のように、今年の韓国プロ野球のMVP・新人王を選定する投票でも、いたずらのような投票が繰り返された。

【注目】巨人が獲得に乗り出した“大砲”も…韓国からメジャー進出を狙う5人

成績を残せなかったクローザーや、昨年より防御率が2.40も悪化した先発投手をMVPの1位として投票する者がいた。新人王の投票結果は、さらに酷い。たった3試合に登板しただけの投手や、ヒット2本のみの打者が票を得た。投票権を持った112人のなかに、無責任に投票する者が存在している。

昨日今日のことではない。公正性と責任感に期待して、韓国野球記者会所属の報道機関と各地域報道機関の記者に投票権が与えられているが、毎年のようにとんでもない投票が出てくる。

時には受賞者まで慌てて壇上に上がったりする。2012年、投手部門のゴールデングローブ賞がそうだった。受賞者でさえ笑えない表情で表彰台に立ち、「受賞をまったく予想していなかった」と話した。専門性と共感が失われた無意味な投票が数年間、繰り返されているのだ。

2020年KBO授賞式
無責任な投票をなくすための2つの改善策

すぐにでも積極的な改善に乗り出さなければならない。

そもそも投票権を持つ記者の人数からあまりに多い。KBOリーグより3倍ほど規模が大きいメジャーリーグ(MLB)の場合、レギュラーシーズンのMVPと新人王、サイ・ヤング賞の投票権を持つ者は、アメリカ野球記者協会(BBWAA)所属の記者30人前後だ。規模はMLBが圧倒的に大きいが、投票する人数はKBOリーグが80人ほど多い。

KBOリーグのゴールデングローブ賞の投票になると、投票者が300人をはるかに超える。レギュラーシーズンの一日5試合を毎日現場で取材する記者が60人前後であることを考慮すれば、投票者の選定から間違っていることがわかる。

投票者の人数を削減するのが難しいのであれば、記名投票を奨励する方法もある。実際にBBWAAは記名投票を奨励している。

メジャーリーグ2021年の殿堂入り投票の用紙を見ても、「結果発表14日後にあなたの投票結果が公開されることを望みますか」という項目がある。SNS時代となり、記者たちが先に自分の投票結果を公開し始め、BBWAAも正式にその流れに乗った。毎年授賞を行った後、投票結果を詳細に公開する。

元ESPN野球記者アダム・ルービン氏の2021年殿堂入り投票

11月に発表された2020年の新人王、サイ・ヤング賞、MVP投票の結果も、BBWAAホームページに明示されている。BBWAAホームページで記者名を検索すると、その記者がこれまで投票権をどう行使したのかを知ることができる。

韓国野球委員会(KBO)は近いうちに、ゴールデングローブ賞の投票を行う計画だ。投票方式は例年のままで、今年も論議を引き起こす投票が出てくることは明らかだ。もはや方法はない。制度を変えてこそ、結果も変わってくる。

KBOリーグの授賞式は、小学校の班長を決めるような投票であってはならない。