ディエゴ・マラドーナさんが25日にお亡くなりになり、彼の偉大さを今一度感じています。僕はずっと憧れてドリブルを真似しましたし、その他のプレーも影響を受けました。どの試合が一番印象的かと聞かれることがあるのですが、どのプレーも心に残っているので順番を付けることなんてできないくらいです。

現役時代のマラドーナさんを知らない人は、今の選手で言えばどれくらいなのかと思うでしょう。サッカーは進歩しているので過去と現在を比べるのには意味がないと思いますが、あえて言えば、マラドーナさんは現代サッカーでも十分活躍できるでしょうし、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドと同等か、あるいはそれ以上のレベルだと思います。

ドリブルがすごいのはもちろんのこと、FKでのゴールも多いし、1986年ワールドカップ決勝の決勝点を生んだラストパスもマラドーナさんでした。何か一つのプレーが優れているわけではなく、常に決定的な仕事が出来るということがスーパースターの証しだったと言えるでしょう。

もう一つ僕が覚えているのは、彼の少年のときの言葉です。ファベーラという貧しい地域に生まれ、8人兄弟の中で育った彼は10歳のとき、夢を聞かれて「リーグで優勝すること」「ワールドカップで優勝すること」と語っていました。

夢に向かって努力すればどんな夢も叶うというものではありません。ですが夢を持って勝ち取ろうとしない限り夢は叶わないのです。幼いころからずっと夢を追いかけてきたからこそ、世界中の人が知るプレーヤーになったのだと思います。

僕はマラドーナさんからそういうことも教えてもらいました。そんな方がもういないというのは、本当に悲しいことです。マラドーナさん、どうか安らかにお休みください。ありがとうございました。