「自分のいいところはどこですか?」

そう聞かれて、読者の皆様はどう答えるだろうか。

短所なら色々と思いつくのに、長所はどこと問われると言葉に詰まってしまう――。そんな人も多いのではないか。

この問いに対する、ある小学生の男の子の答えが素敵だとツイッターで話題になっている。

それがこちら。


「生きてる」(画像はゴリラママ@chimpantomamaさんより提供)

これは2020年11月19日、ツイッターユーザーのゴリラママ(@chimpantomama)さんが

「わが息子よ。
それでいい」

として投稿した画像。学校でのプリントだろうか、「今の自分を見つめよう」というテーマのもと、「自分のいいところ」を聞かれている。

その下には、手書きの字で

「生きてる」

との回答が。大人には気づけない大切なことを、はっと気づかせてくれる素敵な答えである。

この投稿にツイッターでは

「めっちゃ大事」
「涙出た」
「生きていなきゃご飯を食べることも漫画を読むことも遊ぶことも出来ませんものね。生きているだけで良いことだ!」
「それに気付く息子さんも、それを認めてあげられるお母様もすごいです」
「これ、凄い真理だよな...大人になったら本当にこれだけで十分偉いって思わなきゃやってられんことが多々ある」

といった称賛の声が集まっている。

「生きているだけではなまるなんだよ」

Jタウンネットは20日、投稿者のゴリラママさんを取材し、詳しい話を聞いた。「生きてる」との回答をしたのは、小学四年生の息子さん。

これは「二分の一成人式」を学校で行うにあたり、事前に記入するプリントだったそう。

この回答をした息子さんの思いを聞くと......。

「これだけ話題にしてくださっているかたに申し訳ないのですが、本人はそこまで深く考えていなかったようです。書いていたことも忘れてるくらいでちょっとそこは残念でした。でも、息子自体が本能型で生きているので、その時はそう思ったとか直感でとか、そんな感じだと思います」

一方、ゴリラママさんはこの回答を読んですぐに息子さんを抱きしめて「とても素敵な回答だね」と褒めたそう。

「本人には伝えていませんが、発達障害としての特性があり、なんてことない普通の状況でも本人的にはすごく頑張ってやっとその状態になれるのです。
周りからは理解されにくい特性と 共に生きていて、本当に生きづらい世界だと思っています」

また、ゴリラママさんは普段から息子さんに、「生きているだけではなまるなんだよ当たり前のことなんてなにもないんだからね」と声かけをしているという。その思いを伝えることで、

「なにか本人の中に芽生えていればいいなーと願うばかりです」

としていた。

今回、息子さんの回答が話題となったことに対しては

「私自身もハッとさせられてこの写真をのせたので、皆さんの中にもなにか感じるものがあったんだなーと共感していただき大変嬉しく思います。
今大変な世の中となり、生きづらさが増している方も多いと思います。
もっとお互いが認め合えたら、褒めて育てる教育が広がれば、生きやすいのになと発達障害の息子を持ち改めて思いました。
そうしたら『生きてる』だけでいいんだ!と自分自身でも思えるんじゃないかなと思います」

とコメントしていた。