乾燥する季節に入り、のどのイガイガや鼻づまりなど、普段の自分と違ったちょっとした違和感が気になるようになってきた。部屋全体を加湿する加湿器は、のどや鼻、肌の乾燥対策にはなるが、奥まで潤すことは難しい。そんなときのスポット的なケアでおすすめなのが、パナソニックのスチーム吸入器「EW-KA65」だ。

●約43℃のスチームがのどや鼻を潤す



 鼻がつまったとき、湯をはった洗面器などに顔を近づけて、蒸気を鼻から吸い込むと、すっきりしたことはないだろうか。蒸気によって鼻の奥が潤うほか、固まった鼻の分泌物が柔らかくなるからだ。

 パナソニックのスチーム吸入器「EW-KA65」は、約43℃のスチームを吹き出しながらのどや鼻を潤す。普通のうがいだけでは届かないのどや鼻の奥まで、あたたかいスチームが届き、異物を洗い流すとともに不快感を解消してくれる。

 本体には、スチームの粒子の大きさの違いによって「のどイガイガモード」(7〜18μm)、「はなムズムズモード」(5〜14μm)、「はなづまりモード」(4〜11μm)の3モードを搭載する。また、スチームの噴霧時間は、スチーム量に応じて変わる。量が多い場合、通電後約60秒〜約6分、少ない場合、通電後約70秒〜約8分噴霧する。

●水を入れる場所は2カ所



 使い方は簡単で、まず吸入アタッチメントの下にあるボイラータンクに30mlの水を入れる。その後、給排水カップの給水側に水を入れる。2カ所に水を入れることだけ覚えておこう。吸入アタッチメントをセットすれば準備完了だ。

 あとは先ほどの三つのモードから一つを選択し、温度調節は「あつく」と「ぬるく」の2段階、スチームの切あとはり替えは「多い」と「少ない」の2段階から選ぶ。電源を入れてからスチームが出るまでの時間は1分前後だ。ボイラータンクの水がなくなるとスチームが止まる仕組みのため、空だきする心配がない。

●温かいスチームでリラックス



 吸入マスク部分に鼻と口をあててスチームを吸い込む。「はなづまりモード」「はなムズムズモード」は、鼻からスチームを吸込んで、口から息を吐く。「のどイガイガモード」の場合は、口からスチームを吸込み、鼻から息を吐く。

 ケアしたいところに意識してスチームを当てれば問題なく使えるだろう。使える水は、新しい水道水、精製水、蒸留水の三つで、お湯や薬を入れての使用は不可となっている。のどイガイガモードでスチーム量多めで設定した場合、かなりたっぷりとスチームが出ることが確認できる。

 温かいスチームをのどや鼻にあてて、ゆっくり深呼吸をすると身体もリラックスした気分になれるから不思議だ。のどイガイガモードでは、のどの奥まで温かいスチームが入り込んで気持ちが良い。何度も深呼吸をしていると身体がぽかぽかしてくる。しばらくすると、のどの乾燥がなくなり、息をするのが楽になったことが実感できる。

 はなづまりモードは、鼻の奥までしっかりと温かいスチームが感じて、鼻の通りがよくなった気がする。はなムズムズモードは、鼻の穴の近くがじんわりと温まり、これもまた気持ちが良い。

●冬の風邪対策、春の花粉対策に



 収納カバーが付属しているので、使わないシーズンは衛生に保管できる。使い終わった後は10分以上冷まして、給排水カップの水やボイラータンクの水を捨てる。吸入マスク、吸入ノズル、ボイラーキャップ、本体カバー、給排水カップ、収納カバーといったパーツは全て外して洗える。洗う点数は多いが、一つひとつのパーツが大きいため、洗っているときになくす心配はないだろう。

 これからの季節となる風邪対策のほか、花粉の季節など鼻やのどの違和感を和らげときのために備えておきたい一台。また、子供がいる家庭では、動かずにスチームできる子供なら、必ず操作を理解した大人がそばについているという条件で使うことも可能だ。

 なお、本機は医療機器の認定を受けているが、病気を治療する効果はなく、使用目的と効果は「鼻腔と咽頭の加湿・洗浄による不快感の改善」だ。ぜんそくなどの疾患がある場合や、治療中の疾患がある場合は医師と相談してから使用することが重要だ。

 サイズは高さ25.5×幅22.0×奥行10.0センチ。重さは1kg。噴霧量は2〜10mL/分。計量カップ、スチーム噴出穴掃除針が付属する。税込みの実勢価格は1万5400円となっている。(家電ライター・伊森ちづる)