17日のメキシコ戦に0-2と敗れたことで、いくつも大切なことが明らかになりました。本当なら今回は守備陣について語ろうと思っていたのですが、それより、今回もっともよかった点は何だったのかを振り返っておこうと思います。

まずメキシコ戦は悲観すべき内容ばかりではありませんでした。前半はチャンスを作っていましたし、GKと1対1という場面も何度かありました。試合の主導権は日本が握っていたと思います。

ただ、後半になると問題が発生しました。それは局面で負けることが多くなったのです。もっとも小さな局面の「1対1」で敗れ、そこから数的不利な状況を作られるようになり、攻守において劣勢に立たされました。

その個人と個人の戦いで敗れていたことが最大の敗因でしょう。またメキシコは、試合の流れを読むうまさ、したたかさで日本より一日の長があったのは間違いないですし、さらに「シュートの精度」「アプローチの強さ」「運動強度」という部分においても日本よりも優れていました。

森保一監督の采配からは、多くの選手を試したいという意図が読み取れました。もちろんそれはチーム作りをしている今、大切なことなのは間違いないと思います。ただし、選手を交代させる順番はどうだったのかというと疑問が残ります。後半の攻撃において、もっと変化を付けられるような采配をしてもよかったのではないかと思います。

つまり、今回の試合でも日本の現状、ワールドカップ本大会ではベスト16に進出することができるかどうかというレベル、ということが再確認されたということになります。このメキシコに互角以上の戦いができるようにならないと、ベスト8、ベスト4は遠い夢だとハッキリ分かる試合でした。

では今回もっともよかった点は何か。それは今回の試合がマッチメイクできたことです。これまで何度も書いてきましたが、弱い相手に何度勝ったところでチームは成長しません。そういう意味では強いメキシコと厳しい環境で試合ができたのが今回の収穫です。そこは称賛しておくべきでしょう。そして今後もこういう相手と厳しい戦いをするような試合が組めれば、日本の将来は明るいと僕は思っています。