派遣型マッサージ店の女性従業員に性的暴行したとして、強制性交の罪に問われた俳優の新井浩文被告人の控訴審判決が11月17日、東京高裁であった。細田啓介裁判長は、懲役5年の判決とした一審東京地裁の判決を破棄し、懲役4年を言い渡した。

細田啓介裁判長は、新井被告人に性的行為を求められた女性は「少なからず動揺、ろうばいする心理状態に陥った」と指摘。下半身を無理やり触らせたり体を触られたりする行為を重ねられていく中で、「性交時には、すでに抵抗することが著しく困難な状況にあった」と評価した。

弁護側は暴行の程度について「押さえつけておらず、極めて程度の弱いものだった」などと主張したが、「強制性交等罪の暴行としての評価の対象から外れる類の軽微なものでは決してない」とした。

また、「新井被告人は女性の合意があったと誤信していた」という弁護側の主張については、女性が一貫して嫌悪感や拒絶感を示していたことなどから、「合理的に疑う余地はない」と退けた。

量刑については、「犯情自体に酌量減軽の理由があるとは評価できない」とし、情状についても「反省や謝罪の弁を述べているものの、供述全体を見ると何を反省し、何を謝罪しているのかは不明確」と評価しなかった。

一方で、1審判決後、女性との間で慰謝料300万円の支払いを含む和解が成立したことを考慮し、刑期を1年減刑し懲役4年を言い渡した。