ライターの高木沙織です。

タイトルに恐縮しきりの「美人がマッチングアプリに挑戦」、3話めの今回。前回は、この人ステキと思った男性とマッチング成立したのにも関わらず、相手からのアクション待ちでチャンスを逃した話しをしました。

★マッチングアプリを始めた経緯はコチラから★

あれから半月以上経ってもなかなか“いいね”を押すような出会いがなく、どうしたものかと思っていた9月下旬。第1回めのこの連載が配信されると、「マッチングアプリやってるんだ?」と友人や知人からの反響が続々と。しかも、その多くが「沙織さんに紹介したい人がいるんだけど、どう?」という有難いものだったのです。
出会いを求めてないオーラを出していたことに気づく
「沙織さんがマッチングアプリをやってるなんて本当に驚いたよ。でもさ、それっていい人がいたら付き合うとか結婚とかも前向きに考えるってことだよね?」

そう言うのは、かれこれ10年近くの付き合いがある某雑誌編集者のAさん。

私「今まで結婚はいつか出来るものだと思ってたんです。こんな言い方は嫌な感じを受けるかもしれないけれど、“誰かと出会うこと”も少なくなかったし。それが今こうやって人と会うことが難しくなって、出会いもその先のこともこれまでみたいな考えで過ごしていたら時間だけがあっという間に過ぎていってしまうなって。自粛期間中、いろいろと考えちゃいました」

Aさん「へぇー、この際だからハッキリ言うけどさ、私が知る限り沙織さんって“私、出会いとか求めてませんから”ってオーラ出してたよ」

これには内心、えっ?という驚きに近い気持ちと、どこかでそういう自分に心当たりがある気持ちでした。出会いを求めていることを人に知られるのが恥ずかしいという気持ちがあって、その裏返しだったのかもしれません。ホント、私って面倒くさいやつ。

返答に困っていると、

Aさん「まぁ、マッチングアプリもいいけど、私の知り合いに沙織さんに紹介したい人がいるから会ってみない?」

って。
会ってみることにした
Aさんが紹介してくれるというお相手は、私より4つ年上の41歳で都内在住の会社員。独身(結婚歴ナシ)で彼女募集中とのこと。

私「写真ってないんですか? どんな方かお顔を見てみたいです」

Aさん「いや、先に顔を見て判断するのはダメだよ。会って話してみないと分からないことってあるでしょ? 本気で婚活をするなら、顔を見てから決めるのは一旦やめてみよう」

確かに。写真を見て勝手に想像を膨らませるのはよくないし、なにかしらの先入観を持ってしまうかもしれないので納得です。もちろんお互いに、ですが。

あとは、このご時世で男女が顔を合わせて出会える場はそう多くないというのも行ってみようという決め手となり、

私「そうですよね、わかりました! よろしくお願いします」

と返事をしたのでした。

それから2週間後に食事の日程が決まると、まず私がしたことは、ヘアサロンに行くでも洋服を買いに行くでもなく、前後に極力外出したり、人と会ったりする予定を入れないというスケジュールの調整。Aさんも、お相手の方(Bさんとします)も仕事はリモートワークだそうで、3人で決めたルールです。お店も空気の循環がいいテラス席を予約してくれて、しかもランチ。お酒は飲んでも1杯までという徹底ぶり。でも、これが私にとってもしっくりくる今の時代の新しい出会いのマナーだったので、早くもBさんとは気が合うのではと期待が膨らみます。

Withコロナ時代、テラス席を選ぶことが増えてきました。

アレのペースが合わず、イラっとされる
いよいよBさんとの食事の日。

待ち合わせ時間の5分前にお店に着くとすでにAさんとBさんが到着していて、はじめましての挨拶。「こんにちは、Bです。今日は〇△×□…………」、アレ、聞き取れない?

おいしい食事は嬉しいけど、話が聞き取れない……!?

そう、Bさんは喋るのが早い方だったのです。最初はお互いに緊張しているからだろうと思っていたのですが、食事中も場を和ませようといろいろと話題を提供してくれるBさん。どうやらいつもこのペースみたい。うーん、ごめんなさい。私、半分くらいしか聞き取れなかった。Aさんはどうなの?と隣を見ると、うんうんと頷きどうやら聞き取れているみたい。

「沙織さんは〇△×□…………ですか?」

「お住まいは? 僕は〇△×□…………です」

とか。実は私、過去に耳の病気をしていて若干ですが聞こえにくいところがあって。日常生活においてはほぼ支障ないのだけれど、屋外の騒音が大きかったり会話のテンポが早かったりすると、こんな風に聞き取れないこともたまに。どこかで伝えなくてはと思ったのですが、気を使ってか、ずっと会話を提供し続けてくれるBさん。切り出せない私。時間は流れ、ランチタイムは終了。Aさんの計らいで連絡先を交換することになったのですが……、その後のLINEのやりとりがこちら。

私「今日はありがとうございました」

Bさん「なんか僕ばかり話してしまいましたね」

Bさん「そういえば沙織さんって、○○で執筆されているんですよね?」

Bさん「記事はいつ配信されるんですか?」

Bさん「あ、よければまたランチでもしませんか?」

返信をしようとすると、次のメッセージがピコンって。それを読んでいるあいだにまた新しいメッセージが。もしやBさんはお話し好き?

いや、いいと思います。LINEのやり取りをたくさんしたい人もいますから。ただ、私とはペースが合わず。数週間やり取りを続けたある日。

Bさん「沙織さんって結構マイペースですよね。なかなか連絡ももらえなくて、前向きに考えてくれてないのかなーって。今回は残念でしたが、またなにか機会があったらご一緒しましょう」

このやり取りが最後でした。(※ Bさんには記事化する旨、許可をもらっています)

会話の速度やLINEのペースが合わず、それをお互いがストレスに感じる場合。どちらかが我慢して合わせればいいの?それとも話し合う?人との関係を発展させていくことってこんなに難しかったっけ……と一人反省会をするのでした。

明日は久しぶりにマッチングアプリを開いてみようかな……。


 ライター/ヨガインストラクター高木沙織

「美」と「健康」には密接な関係があるため、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。野菜や果物、雑穀に関する資格を複数所有。”スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ヨガでは骨盤ヨガや産前・産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスでボディーメイクをサポート。2018〜2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。 近年はエッセイの執筆にも力を入れて いる。