北海道札幌市にある体験型テーマパーク「ノースサファリサッポロ」。70〜80種類の動物と触れ合うことができる動物園だ。

そんな同園で撮影された1本の動画が、ツイッターで話題となっている。登場するのは、小型のカンガルーのベネットワラビーと、テンジクネズミ科のマーラだ。

これは2020年10月24日、ツイッターユーザーの山羊(@Akr__BB)さんの投稿。

動画は、ベネットワラビーがにんじんを食べているところから始まる。

両手でにんじんを持ってもぐもぐとお行儀よく食べているのがとても愛らしい。


にんじんを食べるワラビー(画像は山羊@Akr__BBさんの投稿動画より)

すると、画面にぬるっとフェードインしてくる影が。


突然登場(画像は山羊@Akr__BBさんの投稿動画より)

突然登場したのは、マーラ。

そのまま、ためらうことなくワラビーのにんじんをぱくりとくわえてしまう。


ああ...(画像は山羊@Akr__BBさんの投稿動画より)

そして結局、ワラビーのにんじんは、後からやってきたマーラに食べられてしまった。

満足そうににんじんを食べているマーラの奥で、うつむき加減のワラビー。どことなく悲しそうにも見える......。餌を取られてしまったワラビーは少し不憫だが、動物たちの野性本能(?)が感じられるユニークで可愛らしい動画だ。

この動画に、ツイッターでは

「切ない...。でもめっちゃかわいい
「さ、最後まで食べさせてあげたい」
「マーラにカツアゲされてる...」
「弱肉強食を見た...」

といった反応が寄せられている。

よくある光景?動物園に聞くと...

Jタウンネットが29日、投稿者の山羊さんに話を聞いたところ、撮影日は24日。山羊さんがワラビーににんじんをあげたそうで、

「最初はワラビーのお顔が可愛くて眺めていたんですがにんじんを食べる姿が控えめで、動物的なガツガツした感じじゃなかったのがちょっと人間みたいだなぁという感じで撮っていました」

としていた。まさかそのにんじんが横取りされてしまうとは、山羊さんも想像していなかったことだろう......。

それにしても、これは日常茶飯事の光景なのだろうか。

Jタウンネットは30日、ノースサファリサッポロを取材し、広報の担当者に話を聞いた。

同施設には、8頭のマーラと4頭のベネットワラビーがおり、南半球エリアで展示されている。

話題になった動画で餌をとられてしまったベネットワラビーはダンボくん。今年の夏ごろにお母さんの袋から出てきたとのことで、まだ0才の子どもワラビーだそう。

成長したワラビーは本来、マーラより大きいそうだが、ダンボくんはまだマーラより小さいらしい。ちなみに動画だけでは識別が難しいとのことで、ダンボくんのにんじんを食べていたマーラの詳細は分からなかった。

改めて、ワラビーがマーラに餌を取られてしまうことは日常的にあることなのか尋ねると、担当者は

「よくあります。他のワラビーは、自分でマーラににんじんを渡してあげたりしている子もいますね」

と話す。

なんと、取られてしまうどころか渡しているとは......。何だか優しすぎてちょっと不安になる。担当者いわく、ワラビーは

「カンガルーなどに比べれば、穏やかな性格」

だそうだ。


餌を食べられて呆然(?)とするダンボくん(画像は山羊@Akr__BBさんの投稿動画より)

ちなみにこのダンボくんは、「トップクラスの人気者」だと担当者。

「この子は本当に可愛くて人気者なので、お客様からもよくエサをもらっているようです。だからマーラににんじんを食べられてしまっても特に問題ないのかもしれません」

と話していた。