女優の広瀬すずさん(22)が主演する2021年春放送のスペシャルドラマ「エアガール」(テレビ朝日系)に対し、視聴者からの注目が集まっている。

同ドラマは史実をベースに戦後日本の航空業界の復興を描きつつ、その中で活躍していた客室乗務員たちを描くもの。広瀬さんが演じるのは、戦災で家族を失い親族が経営する料亭で働き詰めの生活を送っていたある日に客室乗務員の募集を知り、合格の後にエアガールの1期生となる佐野小鞠(さの・こまり)で、広瀬さんが客室乗務員を演じるのは今回が初めてとなる。

ドラマについての情報が解禁されるや、ネット上では「すずちゃんがCAに?!! CA役可愛い 可愛さハンパないデス!!! 来年の春が楽しみすぎ!」といったツイートが飛び出すなど、広瀬さんが客室乗務員を演じることを喜ぶ声が続々と上がっているが、その一方で、「現在の航空業界へのエールになるようなドラマになれば」といった声も上がっている。

赤字発表や「採用中止」の動き

2020年、それは世界が新型コロナウイルスの流行によって激変した年であり、その大きな波は航空業界を直撃。航空需要が大幅に落ち込んだ結果、JALグループは7月28日に、それまでは21年に向けて約1700人を採用する予定だったものの、このうち、約1500人分の採用を見送ることを発表した。

また、ANAグループはこれより前の同月10日に、21年に向けて約3200人の採用を予定していたものの約2500人分の採用を中止するなど、航空業界がコロナによって大打撃を受けたことは明らかであり、それによって航空業界への就職が大幅に難しくなったのは明らかだ。特に、「エアガール」の情報が解禁された20年10月27日には、奇しくもANAが記者会見を開き、21年3月期の連結最終損益が5100億円の赤字となる見込みであることを明らかにしており、コロナによる被害が金額でも明らかにされた形となっている。

これら、航空業界が厳しい中で、21年の春に広瀬さんが客室乗務員を演じるドラマが放送されるとあって、ネット上では前述のものの他にも、「ドラマは楽しみだけど、今の航空会社の状況やキャビンアテンダント志望の方たちの門が閉ざされていることを考えると時代の格差が切ないな」といった、現実の世界で客室乗務員を目指すことが難しくなったことを嘆く声が続々。ただ、これらに交じって「なんとかこのドラマが終わる頃には、コロナが終息し飛行機産業が元気になっていてもらう事を願う」と、21年の春がコロナに左右されない世の中になっていることを願う声も上がっており、ドラマに対しては今後も多くの注目が集まりそうだ。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)