[ちちんぷいぷい−毎日放送]2020年10月14日放送の「へえ〜のコトノハ」のコーナーでは、関西独特の言葉「遠慮のかたまり」について取り上げていました。

みんなで食事をしていて最後に食べ物がお皿に1つだけ残った状況のことを、関西では「遠慮のかたまり」と言います。

遠慮のかたまり、言いますか?(画像はイメージ)

もともと、「かたまり」は「嘘のかたまり」「欲のかたまり」といった悪いイメージで使われていましたが、長い歴史の中で良い意味でも使われるように。控えめな行いをさす「遠慮」という言葉にもつけられたとか。

関西では当たり前に使う言葉ですが、地域によって言い方が異なるようで...。番組では、方言に詳しい東京女子大学の篠崎晃一教授にお話を聞いていました。

他の地域では何と言う?

関東では、遠慮のかたまりを「関東のひとつ残し」と表現するとのこと。

「あえてひとつ残すことでお皿を空にしないという『見栄を張る』江戸っ子気質を表しているといえます」(篠崎教授)

他にも「新潟のひとつ残し」「信州人のひとくち残し」「佐賀もんのいっちょ残し」「肥後のいっちょ残し」などがあります。

そんな中で独特なのは、青森の「津軽衆」という表現です。

これは厳しい寒さのため、食糧が少ないとき他人と食べ物を分け合うという文化から、「遠慮がちな県民性」を表す言葉だそうです。

そして、それでも最後の1つを食べる、メンタルの強い人のことをなんと「津軽の英雄」というんだとか!

関西では、「『遠慮のかたまり』どうぞ」と、皿に残った食べ物を他人にすすめる光景をよく見ます。では、なぜ関西人は残っていることをわざわざ口に出して表現するのでしょうか?

篠崎教授によると、

「『関西人はせっかちだ』と言われますけど、遠回しな言い回しってしたくないんですね。残っていることを遠慮の象徴だと捉えて、あえてみんなに『どうぞ』と言うことで、食べる人の罪悪感を和らげているということ」

と話していました。

「遠慮のかたまり」が関西独特の表現だとは知りませんでした。地域によって様々な言い方があるということを知って面白かったです。

(ライター:まみ)

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