【ソウル聯合ニュース】韓国サムスン電子を世界有数の企業に育てた同社会長の李健熙(イ・ゴンヒ)氏が25日、入院先のサムスンソウル病院で死去した。78歳だった。

 李健熙氏はサムスングループの創業者、李秉チョル(イ・ビョンチョル)氏の三男。早稲田大商学部などで学んだ後、父の死去に伴い1987年12月にサムスングループの会長に就任した。

 経営権を握った1990年代、付加価値の高い事業に集中するためにグループの主要事業を分離する作業に着手。93年にドイツで行った「新経営宣言」では「グローバル時代に合わせ変わらなければ永遠に二流だ。妻と子ども以外は全部変えよう」と述べ、常に変革を目指すサムスンのあり方を提示した。

 世界市場でも通用する質の良い製品をつくる努力と、半導体やパネルへの積極投資、販売台数で世界一となったスマートフォン事業での果敢な創意工夫でサムスンを世界有数の電子・電機メーカーに押し上げた。

 1996年から国際オリンピック委員会(IOC)の委員を務めるなど、スポーツ振興と韓国スポーツ界のためにも貢献した。

 一方、年齢を重ねるにつれ健康が悪化し、2014年5月には急性心筋梗塞で倒れ、意識を失った。これを機に経営の第一線から退いていた。