厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症予防として、自宅で仕事をするリモートワークの活用を呼びかけています。しかし、長時間のデスクワーク用に設計された職場の机や椅子ならともかく、家庭の机や椅子でデスクワークをすると、腰痛が引き起こされることもあります。そこで、科学系ニュースサイトZME Scienceが、自宅でデスクワークする際に腰痛を防ぐためのポイントを、5つにまとめて解説しました。

With so many of us working from home, here's how to prevent back aches and other issues

https://www.zmescience.com/science/domestic-science/with-so-many-of-us-working-from-home-heres-how-to-prevent-back-aches-and-other-issues/

◆1:定期的に立ち上がって体を動かす

ZME Scienceによると、できれば長時間座ること自体を避けるのが理想ですが、やむを得ない場合は30分毎に散歩をしたり、立ち歩いて水やお茶を飲んだりするのが効果的とのこと。また、「20分ごとに、20秒間、席を立って20メートル先を見る」という「20-20-20ルール」を実践すると、腰痛だけでなく目の疲れの解消にも役立ちます。



◆2:姿勢に気をつける

第1に気をつけなければならないのは、猫背にならないことです。前のめりの姿勢をすると背骨に負担がかかるほか、内臓にも余計な圧力がかかり長期的な影響が生じます。これを防ぐためには、背筋を伸ばして座り、肩を背中に寄せつつ腹を引っ込めて、「常に身長を測ってもらうような姿勢をする」といいとのこと。

特に、手元のテキストやスマートフォンなどの端末に目を落とすと、頭が下向きになって姿勢が悪くなり、腰痛の原因となります。そのため、目の高さにスマートフォンを持ってくるなどの工夫をして、頭ではなく目を動かしてものを読むようにすると、腰痛が予防できます。

ZME Scienceは「リモートワークは職場と違って自分の好みに環境を変えることができるので、それをいかして快適な空間にしてしまいましょう」とアドバイスしました。

◆3:自分に合った椅子を見つける

どんなに姿勢に気をつけても、椅子が合っていなければ腰痛は防げません。そこでZME Scienceは、可能な限り人間が自然な動きや状態で使えるように物を設計する人間工学に基づいて作られた椅子の購入を勧めています。

近年は人間工学に基づいて設計された椅子でも比較的安価担ってきていますが、それでも10万円以上するものも珍しくありません。なお、GIGAZINEでは実際にオフィスチェアを複数レビューして、その効果のほどを確かめています。

イスの各部を自分の体に合うようにフルカスタマイズして楽な姿勢で作業がはかどる「Ergohuman PRO ottoman」を1カ月間使ってみた - GIGAZINE



腰痛を改善するために比較的安価なオフィスチェア「セイルチェア」を購入してみたら想像以上の効果を発揮した - GIGAZINE



長時間座っても劇的に負担が少ないハーマンミラー「ミラ2チェア」を1週間使ってみたレビュー - GIGAZINE



背骨にピッタリ沿い座った時の体の負担を軽減してくれる「エンボディチェア」を使い続けてみた - GIGAZINE



◆4:腰に負担がかからないような眠り方をする

寝ているときの体勢が悪いと、寝ている間にも腰に負担がかかってしまいます。そこでZME Scienceは、以下の改善点を提案しました。

・古くて柔らかすぎる状態になったマットレスの使用をやめて、背中にフィットする柔らかすぎないものに替える。

・横向きで寝る場合は、膝を抱えて腰に負担がかからないようにする。

・仰向けで寝ている場合は、高すぎる枕を使わないようにして、頭と体が同じ高さになるようにする。

◆5:運動

腰に負担がかかる運動は別ですが、適切な運動で足腰を鍛えると、腰痛を予防することができます。ZME Scienceによると、水泳やストレッチなど、腰の痛みを伴わない運動なら全て腰痛対策になるとのこと。特に、ヨガは特定の部位に痛みを感じる人向けのプログラムが用意されているので、腰痛を予防する運動としても効果的なのだそうです。



腰痛を放置すると大きな問題に発展することもあります。そのため、ZME Scienceは上記のような対策をしても痛みがひかない場合には早めに医療機関を受診することを勧めています。