全国各地でシェアサイクル事業を展開しているドコモ・バイクシェア(東京都)は、東京・大阪エリアのシェアサイクルで実施してきた飲食宅配サービス「Uber Eats」(ウーバーイーツ)配達員向けの特別料金プランを2020年末で終了する。

コロナ禍でプランを利用する配達員が増加し、一般会員が自転車を利用できなくなっていることなどが理由だとしている。

赤い色の自転車でおなじみ

ドコモ・バイクシェアは東京や神奈川、大阪、宮城、広島など全国各地でシェアサイクル事業を展開。赤いカラーの電動アシスト付き自転車が特徴的で、エリア内にある自転車のポート間であれば自由に移動できる。東京都内では千代田区、中央区など11区が「東京・自転車シェアリング」として共通のサービス体系を展開している。

「東京・自転車シェアリング」では「1回会員」「月額会員」「1日パス」の3つの料金プランがある。このうち、通勤・通学者向けに用意されている月額会員プランでは、月額基本料2000円(以下税抜き)を払えば、毎回30分まで無料利用できる。1回の利用が30分を超えた場合は、以後30分あたり100円の追加料金がかかる仕組みだ。

これとは別に展開しているのが「Uber Eats」の配達員向けプランだ。こちらは月額基本料4000円だが、1回あたり4時間まで追加料金なしでシェアサイクルを利用できる。自転車を長い時間使う配達員にとっては、通常の月額会員で利用するよりも割安なプランといえる。このプランは東京11区と練馬区、大阪エリアで展開してきた。

一部会員には「取り置き」「交通マナー違反」の指摘も

しかし、10月21日頃にこのプランを利用していた複数のツイッターユーザーが、ドコモ・バイクシェアから20年末でプランの提供を終了するという旨のメールが届いたことを報告。提供終了の理由について、メールには以下のように書かれていた。

「新型コロナウイルス感染拡大以降、本プランの会員様が急激に増加しており、本プラン会員様が長時間自転車をご利用されることによって、一般会員のお客様が自転車を借りにくくなっている状況が生じております。また、本プランは一般会員よりも割安での自転車利用が可能であることから、利用機会とお支払料金の面で、一般会員との公平性の問題が生じております」
「更には、一部の本プラン会員様による自転車を取り置きする行為や交通マナー違反等について、多くの方からご指摘を頂戴する状況となっております。以上のことなどを総合的に考慮した結果、本プランの提供を終了せざるを得ないと判断いたしました」

J-CASTニュースが22日、ドコモ・バイクシェアの広報担当者に取材すると、年末でのプラン提供終了、プラン利用者向けにこのメールを送ったことは事実だと認めた。担当者は、プラン終了の理由はメールに書かれた通りだとしつつ、「Uber Eatsのユーザーさん全員が(メールに記載されているような、悪質な)使い方をしているわけではない。提供終了の一番の理由は(一般ユーザーとの)公平性というところになります」とコメントした。

Uber Eats配達員向けの新プランを用意する予定については「現時点では特に予定していない」としつつ、「今後の状況を見ながら随時判断していく」とした。