昔ながらの茅葺(かやぶき)屋根が特徴の「合掌造り」集落群で知られる白川郷(岐阜県白川村)。ここを訪れる多くの人の目的は、ユネスコの世界文化遺産にも登録された合掌造り集落の観光だろう。

しかしツイッターでは、白川郷にあるこんな建物が注目を集めている。


これを撮ってたらオタク?(画像はシモン・ヴォルディゴード@shimon_Requiemさん提供)

それは年季が入った納屋のような建物。建築様式は合掌造りではないようだが、なぜこれが注目を集めているのか。

その答えは同人サークル・07th Expansionが制作したゲーム作品「ひぐらしのなく頃に」にある。架空の村落・雛見沢村を舞台に様々な事件が起こるミステリー作品で、白川郷は同作品の聖地としてファンの間で知られている。

漫画・アニメ・ドラマ・実写映画化もされる人気作品で、2020年10月1日からはアニメ「ひぐらしのなく頃に 業」がTOKYO MX、BS11、サンテレビで放送されている。

その作中の建造物にそっくりだといわれているのが、こちら。登場人物の古手梨花と北条沙都子が住んでいる小屋に似ているという。

作品を見ている人ならわかるかもしれないが、普通の人はこの建物に見向きもしないだろう。つまり、白川郷でこの建物を撮っている人がいたら、ほぼ間違いなく「ひぐらしのなく頃に」のファンというわけだ。

ツイッターでは、あるユーザーが「この建物を撮っている人がいたら100%オタク、と書かれたブログを見た」という旨を投稿。ツイートは話題となり、作品のファンと思われるユーザーからは、

「せやな、としか申し上げようがないw」
「これ、私も行った時撮りましたwwwwだってオタクだもんwwww」
「これは間違いない笑 白川郷で1番のオタクホイホイ笑」

といったコメントが寄せられている。

訪れた人「コスプレして撮ってる人もいた」

Jタウンネットは現地でこの建物を撮影した2人のツイッターユーザーに話を聞いた。

シモン・ヴォルディゴード(@shimon_Requiem)さんは20年10月11日に現地を訪問。建物は合掌造り集落を一望できる城山天守閣展望台へ向かう途中にあったという。

白川郷には作品の聖地巡礼で訪れたというシモンさん。建物を撮っている人は他にもいたようで、

「観光客自体が少なかったので、1人2人と入れ違うように写真を撮っては去ってく感じでした」

と話している。

また、せつな(@stn_premier)さんは17年7月16日に友人と訪問。やはり他にも撮影者はおり、当時は登場人物のコスプレをしている人もいたようだ。

ただ、せつなさんは作品を見ておらず、建物は友人に教えてもらって撮影したとのこと。このようなケースもあるため、建物を撮っているからといって「オタクだ!」と決めつけてしまってはいけない。

Jタウンネットが20年10月19日に白川郷観光協会に取材したところ、近年は少ないが、せつなさんの言う通りかつてはコスプレをして現地を訪れる人がいたとのこと。過去には作品とコラボしたスタンプラリーのイベントが行われたこともあったという。

すっかり聖地として定着している白川郷だが、忘れてはいけないのが集落では住民が生活しているということ。訪問する際は、私有地に入らない、ゴミを捨てない、見学時間を守る(詳しくは白川村役場公式サイトに記載)といったマナーを守って楽しんでほしい。