芸能人の恋人や妻になる「一般女性」って、一体どんな人?

週刊誌やワイドショーすら多くは語らない、ヴェールに包まれた“芸能人の彼女“たち。

世間に名をとどろかせる男とどこで出会い、どうやって恋愛に発展させるのか…。

それは、1%の奇跡と、99%の必然。

彼女たちには、芸能人から愛される”理由“があるのだ。

そんな謎めいた女たちの、知られざる素顔に迫る!

▶前回:200万以上かけて“モテ男”を落とした女。知られざる美女の闇




友人の婚約を祝うため、大学時代の仲良し5人でアマン東京の『ザ・ラウンジ バイ アマン』に集まった。

29歳、独身の私たち。

表面上では友人の幸せを喜んでいるものの、“一抜け”した亜美の話を、みんな腹の底では複雑な思いで聞いていた。

「本当はもっと仕事を続けたかったんだけど…彼の両親が厳しくて。私の分も、瑠香にはバリキャリを突き進んでほしいわぁ」

突然矛先が自分に向けられたことに戸惑いつつも、「ありがとう、頑張るね!」と亜美に満面の笑みで返した。

マウントを取られたところで、私は全然気にしていない。

だって、彼女の婚約者である“外科医”なんて、医学部を卒業すれば誰でもなることができる。

そんな“ありふれた結婚”に、私は興味がない。だって、私の彼氏は誰よりも特別な存在の“芸能人”なのだから。

“ジャック・オー・ランタン”をかたどったモンブランをつまみながら、私は小さく笑みをこぼした。


一般女性の彼女が、芸能人の彼女になれた戦略とは?この女性の正体は一体…?


あれは、1年半ほど前、2019年2月のことだった。

雪がちらつく寒い夜。恵比寿のイタリアン『ラグシス』で、仲良しグループから“選抜”された3人が集まっていた。

「ていうか、亜美ってさ、大学時代の彼氏が瑠香を好きになっちゃったこと、絶対いまだに根に持ってるって」

「だからいちいち男でマウント取ろうとしてくるんじゃない?ミスコンで準グランプリまで取った瑠香に自慢とか、お門違いも良いとこだよね」

シャンパン片手に、声を上げて笑う2人。

この2人と食事に行くと、いつも決まって亜美の悪口大会が始まってしまう。

自分もなんとなく笑って見せるが、最近はこういった恋愛話に耳を塞ぎたくなる。

「そんな…昔の話されても」

もう6年ほど前の話だが、私は大学のミスコンで準グランプリに選ばれた。

候補者のレベルの高さが日本一だと言われる大学だったので、私はまるで“日本で2番目に可愛い女子大生”というような扱いを受けた。

色白でたぬき顔の巨乳という“THE・男ウケルックス”も相まってか、1位の子よりも明らかに男からモテた。あの頃、人生最高のモテ期だったことは間違いない。

とにかく、ゲーム感覚でハイスペックな男達を次々に落としていくことが、楽しくて仕方なかった。自分の魅力がどこまで通用するのか、試したいような気持もあったのだと思う。

しかし、気付けばもう27歳。

勤めているITベンチャー企業では、チームのリーダーまで任されている。いつまでも若い頃と同じようにチャラチャラしてはいられない。

仕事に忙殺される日々のせいで、恋愛どころか出会いの場に出かける機会すら激減している。次々とゴールインしていく友人達を見送りながら、謎の焦燥感だけが募っていく。

―昔みたいに、頑張って落としたいほどレベルの高い男も周りにいないし…。




私がぼんやりしていると、友人が不思議そうに顔を覗き込んでくる。ハッとして、「ごめん、何の話だっけ?」と首を傾げた。

「いやだからさ、友達が最近モデルと飲んだんだって。この人、瑠香知ってる?」

友人が見せてきたスマホの画面には、アンニュイな雰囲気の男性が映し出されている。

「え…知らない。けど、めっちゃ格好いいね」

「私も全然知らなかったんだけど、最近そこそこ人気あるらしいよ。でさ、友達は、この彼とインスタのDMから繋がったんだって」

「え、DMから?」

私も過去に、飲み会で芸能人と一緒になったことはあるが、SNSを通じて知り合うなんてパターンは初耳だった。

「盛れてる自撮りだけを載せるアカウント作って、フォロワー増やして、DM送ったら返事来たんだって。なんか、フォローが多いアカウントだと警戒されにくいらしいよ」

次に見せられたのは、その友人のアカウント。フォロワーは2,400人と、一般人にしては多いほう。

―でも、特別美人ってわけでもないなぁ…。

こんなレベルで芸能人と繋がれるのか、というのが正直な感想だった。その時、私の中である思いが沸き上がる。

―私レベルだったら、もっと凄い芸能人と繋がれるんじゃ…?

そして、ある人物がふと脳裏を過ぎった。

最近欠かさず観ている恋愛ドラマで、主人公が憧れるクールな上司役を演じる俳優の“三鷹コウヘイ・34歳”。

私は彼の魅力にハマり、“こんな人と遊んでみたい”と毎回妄想を膨らませていた。

―SNSから三鷹コウヘイと繋がりに行く…。それ、楽しそう!

久々に、胸が大きく高鳴るのを感じた。


「SNSで芸能人と繋がれるかもしれない…」急にハンターのように、三鷹コウヘイを落としたくなった瑠香だが・・・


私は、帰宅するなり、新しくInstagramのアカウントを開設した。

そして、先ほど友人に見せてもらった女性のアカウントを検索し、その中身を徹底的に研究した。

注目したのは、彼女の投稿の中で最も“いいね”の数が多かった“水着写真”。コメントやハッシュタグを真似つつ、自分もそれに似た投稿をしてみることにした。

『冬だけど、載せる写真ないから水着!寒々しい〜(笑)#インスタグラビア #ビキニ #ビキニ女子 #水着』

投稿してから数時間後。チラホラと“いいね”やフォローが増えていく。あっという間に、半日で30人フォロワーが増加した。

―へぇ、こんなすぐに増えるものなんだ。…これ、なかなか面白いじゃん!

味を占めた私は、その日からコツコツと毎日1投稿ずつ自分の可愛い写真をアップするようになった。仕事が忙しい日でも、日常の写真を撮って載せるだけなら苦にならないので、ちょうどよかった。

ワンピース、トレーニングウェア、パジャマなど、ナチュラル系を装いつつ自分の豊満な胸はしっかり強調されるような服を着て、時には自撮り棒を駆使しながら様々なショットを撮影した。

セクシーだが、下品じゃなく、そして“あざとくない”コメントをさらっと添える。それが自分のInstagramにおけるトーン&マナーだった。

そして、2ヶ月ちょっとでフォロワー数は、3,000人を超えた。

―そろそろ、良いかな…?

私は、ついに三鷹コウヘイをフォローし、DMを送った。

『初めまして。前からカッコイイなって思ってました。良かったら仲良くしてください』




しかし、DMを送ってから1週間が経っても、返事はこなかった。やはり、三鷹コウヘイレベルの芸能人は無理だったか…と諦めかけていた時。

『DMありがとうございます』

フォロー・フォロワー0のアカウントから突然DMが来た。最初は不審に思ったのだが、その内容を読んで驚いた。

『三鷹です。あのアカウントは、事務所が管理しているので返信できませんでした』

私は、LINEのQRコードを送り『こっちで話しませんか?』と誘導をかけた。

すると……。

『連絡もらった、三鷹です』

そこから実際に会う日取りを決めるまでは、トントン拍子だった。遊び半分で始めたSNSの“釣り”だが、本当に三鷹コウヘイに会えると思うと前日は緊張で眠れなかった。

―いや、もしかしたら三鷹コウヘイを名乗った別人の悪戯かも…。

なんて、直前になって疑いを持ったりもしたが、神泉のバーに現れた彼を見たときは、心底驚いた。


とうとう三鷹コウヘイに会えた瑠香。ここから一気に彼女に上り詰めるまでの道のりとは・・・?


「はじめまして」

GIVENCHYのTシャツに、黒のスキニーというシンプルな服装。バケットハットとマスクである程度の変装はしているが、どう見ても“芸能人”然とした出で立ちだった。

アカウントを作ってから3ヶ月目にして、私は三鷹コウヘイと繋がることに成功したのだった。

「瑠香ちゃん、今年28歳なの?めっちゃ若く見えるね。20歳くらいかと思ってたわ」

彼は、イメージよりもずっと饒舌な人だった。飲み慣れているからか、とても気が利くし話も面白かった。

自分が彼のファンだということを差し引いても、ここ数年間の中で一番楽しい時間だった。

―私、彼を惚れさせたい…!

三鷹コウヘイとの出会いが、枯れかけていた心に火をつけた。男を落とすことに情熱を燃やしていた、大学時代の感覚が蘇るのを感じた。

そもそも、彼が私と繋がってくれた理由。それは恐らく、“都合の良い女”を増やしたかったからに他ならないだろう。だからこそ、私は長期戦でいくことにした。

彼のペースに流されて、すぐに一夜を共にしてしまったら、絶対に本命にはなれない。でも誘いをハッキリ断ってしまったら、もう二度と声をかけてもらえないかもしれない…。

―そういう時は、逆に私のペースに巻き込んじゃえばいい。

金曜の深夜1時。

突然彼に『いま何してますか?』とLINEを送る。

思いつきの連絡に見せかけて、実は普段のLINEが返ってくる時間帯やInstagramの更新時間から、彼が最も余裕のありそうなタイミングを狙ってメッセージを送ったのだ。

狙いどおり、LINE送付から10分後に『いま撮影終わって帰ってる』と返事が来る。私は店の住所と共に『ここで飲んでるんで、もし気が向いたらぜひ〜』とだけ送った。

すると、1時間しないくらいで、彼は店にやってきた。

飲みが好きな人は、急な誘いのほうが意外と来てくれる。例にたがわず、三鷹コウヘイもそうらしい。

「突然呼んじゃったので、今日は私が払いますし、タク代も出しますよ」

ほとんどの男性は、女性に奢られてしまった後で、ホテルに誘うことはできない。その日は本当に私が食事代とタクシー代を払い、彼とは何事もなく解散した。

でも、飲んでいる最中は、それなりに楽しく過ごせたから手ごたえは感じていた。

その後も、私はタイミングを見計らって彼を突然呼び出した。

毎回、会話の中で三鷹コウヘイのことを褒めちぎり「タイプです」と言って好意をアピールする。時には“こんな男性に言い寄られて困っている”なんて他の男の存在をチラつかせたりもした。

あまり長居はせず、2時間程度で解散。

そのパターンを、7〜8回ほど繰り返した。「もう少しだけ一緒にいようよ」と言われても「またすぐ会えばいいじゃん」と、彼からの誘いをやんわりと先送りにした。

すると……。

「今度さ、もっとゆっくり会おうよ。日帰りでも良いから、貸し切りの温泉とか行きたくない?」




せっかくだったら紅葉を見たいという話になり、10月に2人で日帰り旅行へ行くことになった。

そして、その帰りの車の中で、とうとう彼からの告白を受ける。

「なんか、瑠香ともっと一緒に居たいなって思った」



お互いに“遊び半分”で始まった出会いから、気付けば付き合って1年ほどが経つ。現在は彼のマンションで半同棲中だ。

既に芸能記者には私との付き合いがバレているようだが、もっと若い頃は“遊び人”として散々夜の街でパパラッチされていた彼。30代になりアイドル的人気が落ち着いたこともあってか、アラサーの一般OLとの健全な恋愛なんて今さらネタにはならないようだ。

想像よりも、ずっと平穏で普通の交際ができているのは幸せなことだ。でも、時々思ってしまう。「彼とのスクープが世に出たらどうなるのだろう」と。

私の隣でべらべらと彼の自慢話を続ける亜美を見ながら、心の中で考えるのだ。

―コウヘイが結婚を発表してくれたら、ビッグニュースになるのになぁ。

私は紅茶を一口飲んで、近いようで遠くにも感じる恋人に思いを馳せた。

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