最近の新しいスマートフォンの売り文句や決め手のひとつに「急速充電」があります。
現在のスマートフォンはバッテリー持ちが改善されたといっても、それでもまだスマートフォンのバッテリーはすぐに切れてしまうというイメージを抱いている人は多いです。

スマートフォンのバッテリーを長持ちさせるためにバッテリー容量を増やすと、当然、充電にかかる時間も長くなります。
そこで「まだスマートフォンの充電が終わらない」というストレスをなくす工夫「急速充電」がスマートフォンの売りになっているのです。

そんなスマートフォンの急速充電ですが、
「充電がまったく早くなった気がしない」
このような声を聞くこともよくあります。

この理由はいったいなんなのでしょうか?
急速充電にまつわる「なぜ」を今回は解説していきます。


○その充電器、急速充電に非対応です!
最近のスマートフォンは、充電器が付属していないことは珍しくありません。




充電端子も、
iPhoneであれば2012年のiPhone 5以降は「Lightning端子」です。
Androidスマートフォンも2016年以降、順次「USB Type-C」端子に変更されています。
そのため充電器は、以前使っていた機種付属の充電器をそのまま利用し続けているという人も多いはずです。

しかし、ここに急速充電ができない罠があるのです。
急速充電は「スマートフォン」だけではなく「スマートフォンと充電器」の組み合わせが正しくなければできません。

例えば、古いスマートフォンに付属していた充電器は、急速充電に非対応である。
こんなことも珍しくありません。当然、通常の充電はできますが、急速充電ではできません。

つまり、最新のスマートフォンを購入した際は、
「最新の充電器」「急速充電に対応した充電器」を選び、使う必要があります。


○急速充電器、どれを選んだらいいかわからない
最新スマートフォンに買い替えたので、急速充電をするために新しい充電器を購入したい。
しかし、
「充電器は、どれを選んだらよいのか」
意外にわかりづらいという問題があります。

例えば家電量販店には数百円から購入できる充電器から、充電器だけなのに数千円もするものまで並んでいます。

そこでチェックしたいのが「充電規格」です。
現在のスマートフォンの多くが対応している急速充電規格は「USB PowerDelivery」(USB PD)です。




充電器のパッケージなどに「USB PowerDelivery対応」と書かれていれば、ほぼ確実に急速充電ができると思っておくといいでしょう。
これはスマートフォン側の端子がUSBではないiPhoneも同じで、2017年発売のiPhone 8以降のiPhoneもUSB PowerDeliveryに対応しているため、iPhone向けの急速充電をしたい場合もこちらを選べば大丈夫です。




急速充電、それも多くの機種が対応しているUSB PowerDeliveryに対応した充電器は、コンセントタイプであれば2,000円しないくらいの値段で購入が行えます。
対応したケーブルを一緒に購入しても合計3,000円ほどで急速充電を利用できる環境を用意することが可能です。

また携帯電話会社から発売されている機種であれば充電器が付属しない代わりに、純正充電器や共有ACアダプタと呼ばれる充電器がショップなどで購入できます。
こうした充電器は、その機種が対応する急速充電規格に対応しているため、自分でお店に並ぶ多数の充電器から選ぶのが不安な場合は、確実な選択肢です。

スマートフォンの充電規格も頻繁に進化しています。
そのため、新たに購入した充電器が
「次の機種変更の後も、新しい機種に急速充電できるのか?」
そういわれれば、確実にできるとはいいきれません。

それでも急速充電は、スマートフォンの使い勝手を向上させてくれるひとつの要因であることは間違いありません。
ぜひ、急速充電ができない場合や、機種変更時にも急速充電にしっかりと対応した充電器の購入を検討してみてください。


執筆 迎 悟