現地時間9月27日にブンデスリーガ第2節のホッフェンハイム対バイエルンの一戦が行なわれ、絶対王者は1-4という完敗を喫した。

 2019-20シーズンのドイツで三冠を達成し、チャンピオンズ・リーグを制した絶対王者は、24日にUEFAスーパーカップのセビージャ戦に2-1で勝利し、優勝カップを掲げたばかり。今後も続く過密日程のためか、主力のロベルト・レバンドフスキ、レオン・ゴレツカらはベンチからスタートしていた。

 それでも主導権は王者が握るだろうというのが大方の見解だったが、16分、24分と立て続けに失点。36分にヨシュア・キミッヒが一矢報いるものの、後半にホッフェンハイムのFWアンドレイ・クラマリッチに2点を奪取され、なす術もなく敗れた。

 バイエルンにとって今シーズン初の敗戦、そしてリーグ戦では2019年12月7日に行なわれたボルシアMG戦以来の黒星だ。ハンス・フリック監督としては、正式に就任してから初めての負け試合となる。

 まさかの敗戦に、ドイツでは衝撃が走っている。現地紙『Deutsche Welle』は、「疲弊したバイエルンが2020年初の負け」と報じ、「彼らは勝利に疲れているように見えた。無敗ショーは終わりを告げ、頭はつるされたまま足は止まっていた。彼らのパスは平たんで、走り込むことさえ面倒そうだった。守備網を突破されても何もできなかった」と伝えた。

 さらには、現地紙『BILD』のように「これはフリック監督の策略なのでは?」と“深読み”するメディアも現われている。

「バイエルンは今シーズンに三冠を守りたいのであれば、254日間で57試合をこなさなければならない。これは、ブンデス史上最も過酷なスケジュールだ。このチームには世界レベルのパフォーマンスを発揮できる14人のトッププレーヤーがいるが、彼らが必ずしも先発の11人に名を連ねられるとは限らないのだ。

 この14人では、三冠を繰り返せるほどではないが、ダブルを達成するにも少なすぎる戦力かもしれない。フリック監督は以前からそう認識しており、ホッフェンハイムとの1-4で敗れた後、公の場で補強を呼び掛けている。つまり、この試合を意図的に“消化”し、フロントに補強の圧力をかけるために使ったのではないだろうか」

 フリック監督の真意は知れないが、試合後の会見では「選手たちを責めることはできない」とプレーヤーを庇う発言をしている。

 バイエルンは9月30日、ドルトムントとDFLスーパーカップの決勝で相まみえる。果たして、中2日で“強者”はどこまで回復できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部