勝負強い錦織圭(日本/日清食品)が帰ってきた。現地27日の「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日〜10月11日/クレーコート)男子シングルス1回戦で、錦織が第32シードのダニエル・エバンズ(イギリス)を1-6、6-1、7-6(3)、1-6、6-4で撃破。グランドスラム復帰戦を勝利で飾った。またこれでグランドスラムでフルセットにもつれた場合、驚異の9連勝となった。

約1年ぶりのグランドスラム復帰戦は、まさに流れを奪い合うシーソーゲームに。第1セットをあっさり落とした錦織だったが、第2セットで上手く修正し相手を圧倒。第3セットでも先にブレークしたもののチャンスを立て続けに取りこぼすと、巻き返されたがタイブレークを制した。第4セットでまたも流れを失い落としたが、最後はフルセットに強い錦織らしさが出た。


これで第5セットまでもつれた試合では、通算で24勝6敗に。また2017年「全豪オープン」4回戦でロジャー・フェデラー(スイス)に敗れたのを最後に、グランドスラムのフルセット試合は9連勝となった。そのフルセット試合は以下の通り。


2017年「全仏オープン」3回戦:対 チョン・ヒョン(韓国)
7-5、6-4、6(4)-7、0-6、6-4


2018年「全仏オープン」2回戦:対 ブノワ・ペール(フランス)
6-3、2-6、4-6、6-2、6-3


2018年「全米オープン」準々決勝:対 マリン・チリッチ(クロアチア)
2-6、6-4、7-6(5)、4-6、6-4


2019年「全豪オープン」1回戦:対 カミル・マイクシャク(ポーランド)
3-6、6(6)-7、6-0、6-2、3-0 (相手の途中棄権)


2019年「全豪オープン」2回戦:対 イボ・カルロビッチ(クロアチア)
6-3、7-6(6)、5-7、5-7、7-6(10-7)


2019年「全豪オープン」4回戦:対 パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)
6(8)-7、4-6、7-6(4)、6-4、7-6(10-8)


2019年「全仏オープン」3回戦:対 ラスロ・ジェレ(セルビア)
6-4、6(6)-7、6-3、4-6、8-6


2019年「全仏オープン」4回戦:対 ペール
6-2、6(8)-7、6-2、6(8)-7、7-5


2020年「全仏オープン」1回戦:対 エバンズ
1-6、6-1、7-6(3)、1-6、6-4


錦織は今回の試合についてオンコートインタビューで「今日はすごくタフな試合でした。アップダウンがある試合で、出だしがすごく悪かったのでちょっと不安もありましたけど。2セット目3セット目はだいぶ感覚も掴めだしてきて、最後しっかりキープして踏ん張れたと思います」「少しリラックスして2セット目からなるべくラリーを長くして、相手のリズムも見ながらプレーしたのがキッカケで、ちょっとずつ自分の良さも出だしたのかなと思います」と振り返っている。


この日は雨もあり、途中には約15分の中断もあった。試合開始時点では気温12℃、風も強く体感温度は更に低いという、タフなコンディションだった。


それについては「さすがにきつかったですね。今日は雨もあったので、すごく寒いなかでのプレーでボールが飛ばなかったり、身体が動かなかったりというのが多々あったので、コンディションの面で大変な全仏になると思います」と、例年とは異なる秋開催でのプレーの難しさも語った。


勝利した錦織は2回戦で、世界73位のステファノ・トラバグリア(イタリア)と対戦する。トラバグリアは、世界50位のパブロ・アンドゥハル(スペイン)を破っての勝ち上がり。


まだ約1年ぶりにツアーへ復帰して1ヶ月も経っておらず、試合勘を取り戻している段階ではあるものの、次戦も期待がかかる。


テニスデイリー編集部)


※写真は「全仏オープン」での錦織圭
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)