豪州出身ボクサーは2人が原田に勝利「3人目になるつもりでいる」

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)と10月31日(日本時間11月1日)に米ラスベガスのMGMグランドで対戦するWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)。待望の世界戦に燃える29歳は、井上が日本初の2階級制覇王者ファイティング原田こと原田政彦氏と同格であると評価し「日本最高のボクサーを倒した3人目の豪州ボクサーになる」と息巻いているようだ。海外メディアが報道している。

 ボクシング専門メディア「ファイトニュース.com」は「イノウエとハラダは日本の偉大なボクサー」と注目。およそ半世紀前、伝説の王者ファイティング原田を破った同郷ボクサーのように、マロニーも偉業を成し遂げたいと考えていることを伝えている。

 マロニーは同メディアに対し「イノウエは日本の歴代最高のボクサーの1人だとみられている。だから、自分は日本の最高のボクサーを倒した3人目のオーストラリア人になるつもりでいる」と語っている。

 豪州出身のボクサーでは、1968年に当時19歳のライオネル・ローズが原田に判定勝ちでWBA&WBC世界バンタム級王座を奪取。1969年にはWBC世界フェザー級王者だったジョニー・ファメションが、3度のダウンを奪われながらも原田に判定勝ちし、“疑惑の判定”と物議を醸したが、タイトルを防衛している。

下馬評では井上有利も「ゾクゾクするね」

「イノウエはハラダと同格だ」と評価するマロニーは、「そういう歴史を築けるとなればゾクゾクするね。ローズとファメションは、俺がしようとしていることを成し遂げた」と約半世紀前の“再現”に燃えている。

 下馬評では井上が有利とされているが、それすらプラスにとらえているようだ。29歳は「ローズだって1968年に日本に渡った際には勝ち目はないとみられていて、今年俺がしようとしていることをやったのさ。そういう機会を手にするためにラスベガスへ行く。そして、この競技の歴史は繰り返されるんだ」と鼻息が荒い。

 本来、井上はWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦を予定していたが、それが流れたことにより、回ってきた千載一遇のチャンス。すでに「噛ませ犬の状態を楽しんでいる」と海外メディアに語っていたマロニーは、今月29日に米国入りする意向も語っている。(THE ANSWER編集部)