「家に帰りたくない」サラリーマン500人への調査でわかった漂流会社員の新たな実態に迫る! ’18年、働き方改革が進んだ陰で、家に居場所がなく会社をよりどころにしていたサラリーマンの「フラリーマン」化も加速。そして’20年、コロナ禍の影響で「在宅」が求められるようになった今、フラリーマンたちはどうしているのか――。

◆自粛中に自分の居場所のなさを再確認することに

 コロナ禍でフラリーマンを苦しめているのが、テレワークの存在だ。自宅で仕事をせざるを得なくなっていたT田さん(44歳・精密機器メーカー)は「緊急事態宣言が終わった今、ようやく息ができてます」と、ホッとした面持ちで語ってくれた。

「自分以外は女ばかりの4人家族なので、とにかく肩身が狭いんです。自室もないので、自宅では気が休まらない。気がついたら、のんびり過ごせる場所を求めて外に出るようになっていました」

 SPA!が3048人に実施したアンケートでも実に16.4%の男性が「家に帰りたくない」と回答している。(※Q1〜3の詳細は文末参照)

 Q1の「家に帰りたくない理由は何ですか?」で7割弱の人が「自分の時間」を求めてフラリーマン化しているが、T田さんもその一人。主な行き先はパチンコ店だが、目的はあくまで休憩スペースだという。

「最初は図書館を根城にしていたのですが、友人から『パチンコ店の休憩スペースが漫画喫茶化している』と聞き、足を運ぶようになりました。地元に自転車で行ける範囲に漫画のあるパチンコ店が5軒ほどあるんですよ。休日なら朝から晩まで、平日は仕事終わりをもっぱらそこで過ごしています」

 だが、4月から5月にかけてパチンコ店が一斉休業したときは途方に暮れてしまったという。その頃のことを思い出したのか、T田さんの眉間に深い皺が寄った。

「会社はテレワークになり、気軽に外出することもできず、ストレスが溜まる一方でした。中学生と高校生の娘や妻の存在が気になって仕事に集中できないし、イライラして怒鳴り散らしたくなる瞬間が何度もありました。

 そもそも、フラリーマンになったきっかけの一つが家にいると妻から邪険に扱われていたこと。逆に家を出ていれば邪魔者扱いをされることもなかったので、気持ち的には楽だったんです。自粛生活、本当にツラかったです」

 思春期の娘たちと妻に逆らえず、自分の意見を通せない生活だ。

◆パチンコ店通い復活も新たな悩みが…

 Q3のアンケートでもT田さんのように「帰ってくるな」と言われたことのある人は半数にも上った。そんな人たちにとって、ただツラいばかりの自粛期間を経て、現在T田さんはオフィス勤務に戻り、パチンコ店通いも復活。しかし、今度は新たな悩みが……。

「漫画本をいずれは読み尽くしてしまいそうなんですよ。使える小遣いもないですし、そうなったら自分はどこに行けばいいのか……それが一番の気がかりです」

◆円満家庭の秘訣は…

 T田さんの場合、彼がフラリーマンであることで家庭の均衡が保たれているような節がある。フリーライターの亀山早苗氏は、外出を制限された中での円満家庭の秘訣には、家の広さが関係していると語る。

「フラリーマンに資金力があれば、引っ越しをしたり別宅を持ったりするなどできる。しかし実際は困難で結局、狭い空間に複数人で過ごす状態が人を苛立たせるんです。Q2のように、別に夫がフラリーマンだからといって、夫婦仲が悪いわけではなく、夫がフラリーマンであることが、プラスに働いているケースは多いですよ」 「フラリーマン」の言葉の生みの親である社会心理学者の渋谷昌三氏も家庭内のソーシャルディスタンスを上手に使うべきと提言する。