アイドルグループ「TOKIO」の元メンバー、山口達也容疑者が道路交通法違反(酒気帯び運転)で2020年9月22日に現行犯逮捕された。複数の報道によると、事故前夜に「麦焼酎をロックで5〜6杯飲んだ」などと供述しているという。

18年4月に女子高生への強制わいせつ事件で書類送検(のちに不起訴)された際、「アルコール依存症」の可能性を会見で問われ、「依存的なものはない、と自分では思っている」と否定していた。しかし今回の事故で、複数のメディアは山口容疑者のアルコール依存症を推測する。またツイッターでは、19年4月に公開された「アルコール依存症」への理解を助ける啓発漫画が注目を集めた。

家族だけどあえて「お世話や尻ぬぐいはしない」

この漫画は、イラストレーター・漫画家の三森みささんによる、全9話と番外編から成る「だらしない夫じゃなくて依存症でした」だ。厚生労働省と専門家が監修しており、アルコールだけでなく、違法薬物やギャンブルの依存症にも焦点を当てている。厚労省の公式サイトから飛べる特設ページ内の「回復支援漫画」から無料で読める。

物語はアルコール依存症の夫と、その妻が主人公だ。夫婦が病気をめぐって苦悩し、ぶつかり合いながらも、周囲の理解者や保健所、アルコール依存症に悩む当事者たちが集まる「自助グループ」、病院などに助けられながら、最終的に回復へ向かっていく道のりが描かれている。第一話はこちらから。

「早いペースで飲む」、「飲む頻度が多い」、「飲まないと寝付けない」、「言いにくいことを酔って言う」、「依存症だと認めない」など、症状のサインとなる特徴をまとめているだけでなく、患者を支える側が取るとよい行動も紹介している。次の通りだ。

・お世話や尻ぬぐいはしない
・説教したり小言は言わない
・シラフの時に対話する
・あなたではなく「私」を主語にして話す
・思いやりのある発言をする
・良いことも伝える

「自分の意志で依存をやめることはできない」

同サイトの特設ページには、依存症について「実は誰にでもなりうる可能性があり、自分の意志で依存をやめることはできない」とある。だが病気だからこそ、回復すれば通常の社会生活を送れるようになるという。家族や知人に依存症の疑いがあれば、1人で抱えこんだり、解決しようとしたりせず「保健所」や「精神保健福祉センター」、「依存症相談拠点機関」などに相談することが大切だ。