解任した監督に、その旨を1か月も通知しないということがあるのだろうか。

 9月17日、バルセロナ前監督のキケ・セティエンが、クラブを相手に法的措置をとる準備を始めたことを声明で明らかにした。スペイン紙『Marca』が報じている。

 バルサは今年1月、エルネスト・バルベルデ元監督を解任。後任にキケ・セティエンを据えた。だが、チームは首位の座を失い、宿敵レアル・マドリーにラ・リーガの王座を奪われると、チャンピオンズ・リーグでもバイエルンに8失点を喫して屈辱の大敗。12シーズンぶりに無冠に終わった。

 この事態を受け、バルセロナは8月17日、キケ・セティエンの更迭を発表した。その後、ロナルド・クーマン新監督を招聘。リオネル・メッシの去就騒動を経て、オランダ人監督の下で新シーズン開幕の時を迎えようとしている。
 
 ところが、セティエンの声明によると、バルサがブロファックス(内容証明郵便)で解任を通知してきたのは、9月16日のことという。つまり約1か月、セティエンは“放置”されていたというのだ。

 しかも、解任通知には違約金に関する言及がなく、一方でコーチングスタッフについては別の役職への配置換えが伝えられたとのこと。キケ・セティエンは「われわれにとって大きな驚き」と評し、弁護士を通じて契約の解消を求める必要があると感じたと説明している。

一部では、セティエンとの契約解消がまとまっていないため、スペイン・サッカー連盟の登録でクーマンを正式なバルセロナの新監督にできておらず、初戦でオランダ人指揮官はベンチに座れないとも報じられている。

 メッシ騒動でジョゼップ・マリア・バルトメウ会長への風当たりが厳しくなっている一方のバルサ上層部だが、このゴタゴタも新たな批判を呼びそうだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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