かつては「トップボーイ」の店舗名でゲームソフトを販売

 (株)Nuts(TDB企業コード200969251、資本金50億9402万1234円、東京都港区東麻布3-3-1、代表中村健司氏、従業員6名)は、9月16日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人には、澤田和也弁護士(東京都港区虎ノ門1-4-2、馬場・澤田法律事務所、電話03-5510-7703)が選任されている。

 当社は、1977年(昭和52年)8月に三高産業(株)として設立され、98年7月に(株)トップボーイに商号を変更、99年9月に店頭公開(2004年12月にジャスダック上場)、2003年6月に(株)コモンウェルス・エンターテインメントへ商号を変更し、2016年9月に現商号となった。

 かつては「トップボーイ」の店舗名で家庭用ゲームソフト・ゲーム機器の販売および店舗フランチャイズ事業を展開し、一時は150店舗まで拡大するなどテレビゲームの市場拡大に合わせて成長、2002年3月期には年売上高約131億8200万円を計上していた。

 しかし、同市場の縮小後は、現在の主力事業であるデジタルコンテンツ事業部門とキャラクター事業部門を立ち上げ、パチスロ・パチンコホールから総合アミューズメント施設への業態変換に伴うプライズゲームなどの機器供給や運営企画、アミューズメント施設用メダルゲーム機器への転用事業を中心に、デジタルコンテンツの企画制作事業、医療関連事業、アライアンス事業を行っていた。

 こうしたなか、2016年3月期以降、単体では4期連続で当期純損失を計上、2019年3月期の年売上高は約1億2100万円に減少していた。2020年2月には証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で強制調査に入り、さらに同年4月には監査法人による財務諸表監査の過程で、当社の現金が帳簿上は約8億900万円計上されていたのに対し実際は約50万円しかない事実が発覚、監査法人との監査契約が解除される事態となった。8月13日に別の監査法人を選任、9月末までに2020年3月期の有価証券報告書を提出し定時株主総会を開催する予定だったが、現預金が枯渇、監査報酬の一部を支払うことが出来ず、9月7日に監査契約の解除通知を受け、有価証券報告書を提出出来ない状況となっていた。上場維持、事業継続の見通しが立たないことから、当社取締役からの破産手続き開始の申し立てを受け、今回の措置となった。

 負債は約5億1000万円。

 なお、上場企業の倒産は(株)レナウン(東証1部、5月民事再生法)に次いで、今年2社目となる。