4〜6月期のGDP改定値は戦後最悪の前期比年率マイナス28.1%を記録(8日、内閣府発表)。コロナ関連の解雇や雇い止めの数は5万人を突破し、1か月1万人のペースで今も増え続けている(厚生労働省調べ、8月末の時点)。働き盛りの10人に1人が失業者となったときの危険性、いま日本に最も必要なことは何なのか? れいわ新選組の山本太郎代表が語る。

◆自殺者数や犯罪率は史上最悪に。コロナ感染以上に失業が人を殺す

 失業者の増加でまず懸念されるのは自殺者の増加です。失業率と自殺者数には相関関係が見られ、失業率が過去最高の5.4%となった’02年の翌年に過去最多の3万4427人を記録。

 過去の統計から失業率が1ポイント高まれば自殺者が1000人増えていて、単純計算で失業率が10%に到達すれば自殺者が一気に1万人近く増加するとも推測できる。

 国が守らなければならないこれだけの命が、コロナによってではなく失業や経済的困窮により失われるのです。

 そのほか失業率悪化の影響を過去からひもとくと、失業率が過去最高を記録した’02年には犯罪発生率も戦後最悪に。

 また失業率5.1%と’02年に次ぐ高水準となった’10年には奨学金返済延滞者が過去最多の34万人となり、生活保護受給者も現役世代の増加率が69%と非常に高い数値を記録。

 また業績悪化による給与減や長時間労働、パワハラといった正社員酷使も深刻化。コロナ禍がリーマン以上だと目されている以上、こうした影響は深刻さを増して発生することが想像できますよね。

 失業率の高まりは所得分配の不平等化を生み、貧困をもたらし、犯罪率や自殺率を高める。端的に言えば、ものすごく生きづらい、今よりも生きることに精いっぱいで殺伐とした社会になるのです。

◆暮らしと命をつなぐお金を国民に届けるべき

 じゃあ、こうした最悪の状況を食い止めるにはどうすればいいのか。こちらも歴史をひもとけば答えは明白。徹底的な財政出動によって、暮らしと命をつなぐお金を国民に届けることしかないんです。

 各国の経済危機時の対応と結果を分析すると、経済危機下で緊縮財政政策(支出を抑えることで赤字を乗り切ろうとする政策)を取った国はもれなく衰退しています。

 リーマン時だけを切り取っても、IMF(国際通貨基金)の緊縮・予算削減要求指示を無視し、食料費補助、再就職支援、中小企業への債務免除などに大規模な財政出動を行ったアイスランドは、危機から3年後の’12年にはGDP年率3%成長と復活。

 一方、忠実に緊縮財政を実行したギリシャは、’12年になっても成長率はマイナス7.3%のままでした。非常時にこそ、通貨発行権を持つ政府がお金を大胆に分配し国民の生活を守らなければならないんです。

 仮に、今後4年間毎月10万円を全国民に支給しても、日銀が定める「物価上昇率2%超」というインフレの上限にも到達しないという試算もはっきり出ています。

 逆に言えば、そうでもしないと今よりも殺伐とした社会が待ったなしで到来するということです。

【山本太郎氏】
俳優として活躍後、’13年に参議院議員選挙に東京選挙区より出馬し当選。’19年には独自で「れいわ新選組」を旗揚げし、党代表を務める。著書に『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(集英社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部> ―[[失業率10%]の恐怖]―